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「都構想」は地方自治・くらし破壊そのもの

 大阪市を廃止し5つの特別区に分割・解体する「大阪都」構想の「協定案」が、大阪市会、大阪府議会で、「維新の会」と公明党により可決・成立しました。それにより「大阪都」構想の賛否を問う「住民投票」が5月に実施されます。

 橋下・「維新の会」は「大阪都」構想について、「政令都市の大阪市を解体し権限と財源を大阪府に集めて市を小さく分割すれば、府と市が開発を競い合うことなく住民の監視が行き届く・・・」と説明しています。説明のとおり大阪市を廃止し5つの特別区にすることで、現在大阪市に入っている法人市民税や事業所税、固定資産税等が大阪市から大阪府に移ります。その為特別区が直接得られる税収は現在の大阪市と比べて4分の1程度になり、交付金を大阪府から受ける従属的団体になります。また、現在大阪市が政令都市として持っている権限はなくなり、新たに設置された特別区には、「中核市」なみの権限や財源もなく、区民の願いは実現できません。

 そもそも「二重行政」の無駄と目の敵にしている施設・施策も、例えば府立急性期・総合医療センターと大阪市の住吉市民病院のように、それぞれ独自の大切な役割を果たしており、無駄ではありません。逆に大阪市を廃止し5つの特別区にすることで新たな庁舎の建設やランニングコストがかかり、今後30年間に大阪市民に1200億円の負担がかかってきます。

 すでに橋下・「維新の会」のもとで大阪の自治と福祉は大幅に削られています。橋下氏は大阪府知事時代「財政危機」を旗印に、社会福祉施設の運営費補助や特別養護老人ホームの建設補助等を大幅に削減・廃止し、府民の福祉を後退させました。さらに大阪市長になると、大阪市が住民とともに築いてきた独自施策(保育士の加配の補助金や地域の高齢者の見守り支援員の廃止等)をことごとく縮小・廃止しました。

 橋下氏がすすめてきた大阪府政・大阪市政における福祉、医療の削減は、まさに「大阪都」に向けた地ならしといえます。大阪市の解体で得た財源と権限をフルに活用して、無駄な大型開発である地下鉄や高速道路の延伸、カジノやリニアの誘致を進めようと計画しています。

 大阪の街とくらしと福祉を守るために、「大阪都構想・大阪市廃止」反対の声を大きく広げ、住民投票でノーの審判を下しましょう。