■組合の主張・焦点■ 戻る

消費税に頼らない社会保障財源の確保を

 来年4月からの消費税増税の是非について、安倍首相は10月1日にも判断を下そうとしています。

 そもそも今回の消費税の引き上げは、社会保障制度の「持続」を□実として、消費税の増税と「徹底した給付の重点化・効率化」による社会保障の大改悪を内容とする社会保障改革推進法の成立にあります。そもそも消費税は日常の生活費から学用品まで、所得の無い人にまで負担を押しつける不公平な税金です。社会保障の財源を、国費の主要財源である所得税や法人税を無視して低所得者ほど負担の重い最悪の不公平税制である消費税に頼れば、社会保障制度の「持続」の為にとめどない消費税率のアップは必至です。

 近代的な税制の在り方は、「生活費非課税」と「応能負担」といわれています。憲法25条は、この考え方にたって国民に「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」があると明記し、国にその生活を保障する責務があると掲げています。税金の納め方も、所得の少ない人は少なく、多い人は多く負担する

 「応能の負担」によって、国の財源を確保し、誰もが文化的な暮らしができるよう、活用するのが本来の税制の在り方です。財界は来年度の「税制改正」提言で、「政府は、早期に消費税8%への引上げを決断すべき」と強く求めています。その一方で法人実効税率引き下げに向けて「議論を早期に開始すべき」と明記しています。消費税増税を迫る財界の本音が大企業の税金を今以上に安くさせ、社会保険料の負担を少なくしたいということにあるのは明白です。政府が策定した消費税増税による「景気腰折れ」回避の経済対策は、財界の意向を踏まえ大企業向けの大減税と公共事業に5兆円と設定しています。今回の消費税増税の目的が「社会保障の充実」でも「財政再建」でもないことが一層明らかになっています。

 消費税増税を断念し、利益を上げている大企業や富裕層に対し応分の税負担を求め社会保障財源を確保することこそ民主的な税制の本来の在り方です。