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貧困者を一掃する社会保障の充実を図る政治の実現を

 消費税増税と社会保障解体の「一体改革」法を強行した民主党と自民党が混迷の党首選挙を繰り広げています。一方、マスコミが連日持ち上げる「大阪維新の会」が国政進出を決め、12日「日本維新の会」の結成を宣言しました。

 民主党の代表選挙には、野田首相をはじめ4氏が立候補してますが、公約違反の消費税増税と社会保障の解体につながる「社会保障と税の一体改革」を推進する立場に変わりありません。また5候補が乱立した自民党の総裁選挙は、増税と社会保障の改悪を推し進めた当事者である石原、町村氏はもちろん、石破、安倍氏も増税路線に異論はありません。そればかりか目立つのは、そろって憲法改悪と海外での武力行使に道を開く集団的自衛権行使の容認などを主張していることです。一方、旗揚げした「日本維新の会」の橋下氏は「日本の新しい道を作っていきたい」と、現在の政治状況、既成政党を批判してみせたものの、同党の「綱領」と位置づけられる「維新八策」には、大企業に都合のいい「解雇規制の緩和」や社会保障にも「競争原理」を持ち込み、生活保護に対し「就労義務の徹底・医療費の一部自己負担」でさらに給付を絞り込もうとしています。これらの政策は「新しい」ものではなく、格差社会を拡大し、国民から厳しい批判を浴びた小泉「構造改革」をより極端にした新自由主義です。外交・安全保障政策でも憲法9条の改悪、環大平洋連携協定(TPP)「参加」を打ち出すなど、財界・アメリカ中心の古い政治の焼き直しに過ぎません。

 国民の暮らしは日に日に悪化しています。今年3月には生活保護を受けている人が過去最多を更新し、ついに210万人を超えました。その背景には雇用の悪化や社会保障制度の改悪による高齢者の貧困問題など国民の暮らしと権利を悪化させてきた政治・経済にあります。自民・公明と談合し公約違反の政治を進める民主党政権を退陣に追い込み、大企業や高額所得者に応分の税金を負担を求め、正規雇用を基本にした雇用制度の確立、貧困者を一掃する社会保障の充実を図る政治の実現を追る取り組みが私達に求められています。