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あらためて春闘要求に確信を〜大災害を通じて

 まるで大きな船に乗っているような揺れを大阪地本事務所でも感じた。大阪府庁咲洲庁舎(旧WTCビル)も震度3でワイヤーがもつれエレベーター4基が停止、災害時に府庁の機能不全に陥るであろうことが露呈した。地震、津波、原発事故という想像もできなかったような最悪の災害が日本を襲った。

 大阪地本では、地震発生から3日後、青年有志から声が上がり、天王寺駅で災害支援募金にとりくんだ。中学生、高校生、日頃の宣伝に見向きもしない若者を中心に、列まで作ってなけなしの小遣を財布から募金箱に入れてくれた。一緒に配ったビラを読んで「協力できることはありませんか」と、書記局に電話をくれた方もいた。

 3月22日の朝日新聞では、自閉症の小学4年生の男子が避難所に入れず、燃料も切れた車中で1週間暮らしていたと報道された。環境の変化の受け入れが難しく、パニックで固りの避難者に迷惑をかけないように親が選択をした。福祉施設職員が駆けつけて、一緒にいてやれたら避難所で暮らせる支援ができるのにと思う。

 大災害から立ち上がるために、私たちができることに一つでも多くとりくみたい。

 大震災という非常事態で「春闘どころではない」といった気分に一時なってもやむをえないかもしれない。しかし、災害復旧のとりくみを見るにつけ、福祉・医療の仕組みを、ことごとく民営化していくことの愚かさを思わずにはおれない。国立病院が廃止、各地の福祉事務所がなくなっている。

 人々の暮らしを守る公的な仕組みの再構築が何としても必要である。被災地の今後の復旧にとっても、社会福祉施策における国の責任を明確にしていくことが、利用者の生活や一刻も早い福祉施設の復旧・再開を実現することにつながる。

 そのためにも、2011春闘の意義を再確認し、職場での要求闘争、権利としての福祉制度を守る国や自冶体にむけた運動を前進させていこう。そして、東北地方の組合員や住民の方々への支援に全力をあげよう。