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保育制度「改革」キャンペーンをはね返そう

『保育園業界に巣くう利権の闇:経営感覚ゼロでも客が万来、税金はかからず補助金ジャブジャブ、職員には高給取りがごろごろ、不況などどこ吹く風−そんな夢のような業界があう。保育園業界だ』11月16日付の週刊ダイアモンドの記事である。

記事では、「既存の保育園経営が利権化し、職員の待遇が恵まれていること」を守るため、「保育園団体や労組が政治力まで使い企業参入を阻んでいる」さらに「現在20
0万人いる認可保育所に通う親も既得権者」として、待機児童解消のために、民主党政権に対し企業参入を「勇気をもって進めよ」、としている。

あまりにも現場を見ない記事内容で怒りすら覚えるが、一つ反論すれば、保育園経営に莫大な利権があるとすれば、いまごろ認可保育所がありあまっているだろう。公立保育士の一部のみを見て「保育の職員が高給取り」と言うなら人材確保問題など存在しないだろう。これなどは公務員制度と認可保育制度をごちゃまぜにした、まさに現場を見ない悪意をもった意見である。公立の保育園でも、いまや職員の半数を超える非正規職員の待遇は、最低賃金に限りなく近い賃金で貧困にあえいでいる。

認可保育所に通園させる親と、待機児童の親を分断、対立させるに至っては、企業参入を一気に狙う財界を中心にした保育制度「改革」キャンペーンが、いよいよ火を噴いた感かある。11日の厚生労働委員会で長妻厚生労働大臣は「憲法25条に基づいたナショナルミニマム、健康で文化的な生活保障のための最低基準をつくりあげるのが私どもの任務」とあいさつしたが、長妻大臣の理念と、いま進められている保育をめぐる議論と施策はあまりにもかけ離れている。

これは公的福祉を市場原理の中に放り出してきた動きの、最後の砦ともいえる保育運動に対する攻撃である。福祉人材確保に取り組んで「大きな変化とチャンス」を創り出した
私たちの運動と力を、国民的な共同にむけいまこそ発揮しよう。