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新政権のもと、憲法にもとづいた社会福祉を実現しよう

 鳩山首相は、9月22日の気候変動サミットで温室ガス「25%減」を表明、「未来の子供たちのために」と呼びかけた。オバマ大統領は未来の子どもたちのための四つの柱として「核軍縮と核不拡散・平和の追求・地球環境の保護・平等な世界経済の推進」を掲げた。

 鳩山内閣の長妻厚労大臣は、10月中にも生活保護の母子加算を復活するとし、また後期高齢者医療制度、障害者自立支援法の廃止を明言した。

 『新政権には成長戦略がない』と保守層の批判の中で、総選挙で国民が託した「とことん国民の生活のための政治」のスタートを切った。しかし民主党の社会福祉政策をみてみると従来の方針は、決して「基礎構造改革路線」に反対しているわけではなく、こども手当の対策などが個人給付型で景気回復を目指している点など、保育制度改悪における直接契約・利用者への直接補助の考え方に相似している。

 民主党は「地方分権・地域主権」も政権公約に掲げた。原口法相は自治体への補助金を一括交付金に改め、保育所の設置基準が自治体に任されれば「幼保一元化」も実現できるとしている。

 9月7日、政府の地方分権改革推進委員会は、保育所の設置基準の廃止、病院の病床数算定基準の廃止などを勧告骨子としてまとめ、今月中に民主党新政権に提出するとしている。

 大阪府の橋下知事は「道州制のために『地方分権改革』を!」と声高に叫ぶ。日本経団連は道州制導入を『究極の構造改革』と呼び、教育や医療・社会福祉など国民のいのちと暮らしをまもるべき国家の責任を放棄させることを胆っている。その点では、民主党政権が今後の憲法問題や経済政策とともに社会福祉施策の路線、保育制度についてどういった方向性を持つのか、極めて注視しなければならない。

 憲法は、国民生活のあらゆる分野でのナショナル・ミニマム保障を宣言している。あらためて憲法に基づいた人権保障としての社会福祉を再構築させる大運動を、この秋に発展させる必要がある。