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憲法に背く消費税増税 経団連と自公政権の税制「改正」関連法案

17%−日本経団連が2月16日に正式発表した「社会保障制度改革の提言」で示した消費税率である。引き上げ分のうち4%を基礎年金、7%を医療・介護に、1%を少子化対策に配分。25年度をめどに段階的に引き上げる、としている。

輸出系大企業は外国の売り上げには消費税がかからないため、「輸出戻し税」という還付を受けるが、06年のトヨタの還付は2869億円。この数字で試算すれば消費税17%になれば、1兆円近い還付を受け取ることになる。

本来、憲法が求める税の在り方は「応能負担原則」であり、所得税中心の「累進課税」、そして「勤労所得軽課・資産所得重課」、「最低生活費軽課・生存的財産非課税」であった。

立正大学の浦野教授は「憲法は平和的生存権を保障する国の義務と、国民の生存権保障を求める権利をうたっている〜日本国憲法は、すべての税が、平和と福祉・社会保障のために使われるのだとしています。」と述べている。所得が低い人ほど負担が重い消費税は応能負担に反していることにとどまらず、「社会保障目的税にする」という自公政権が出した税制「改正」法案は2重の意味で、憲法の精神に背いている。

89年の消費税導入時、そして97年の5%増税時にも社会保障財源を口実にしてきたが、その後相次ぐ社会保障改悪が進められ、国民が支払った213兆円に及ぶ税額のうち182兆円が法人3税減税の穴埋めに回された計算になる。

政府はマスコミも動員して総力を上げて「消費税増税やむなし論」を展開しているが、私たちはこれにだまされてはいけない。

新自由主義にもとづく構造改革によって、国民に痛みを押し付けた小泉首相(当時)が「増税してもいいから必要な施策をやってくれ、という声が上がるまで歳出を徹底的にカットしなければならない」と語っていたことを、今一度怒りをもって思い起こす必要がある。憲法の精神にそむく消費税増税は阻止しよう。