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オリンピックと世界平和

8月は広島・長崎の原水爆禁止世界大会や15日の終戦記念日など、平和を求める様々な催しがあります。今年は4年に一度のオリンピックも、中国の北京で開催(8日〜24日)される予定です。

29回目の開催となる北京オリンピックには、国際オリンピック委員会に加盟する205の国・地域が参加を予定し、その数は国際連合加盟国191カ国
を上回っています。

オリンピックは、第一次世界大戦前のアテネ大会(1896年)から始まり、以来スポーツを通して世界平和を求める理想を追求してきました。112年
前のアテネ大会の参加国はヨーロッパ、アメリカなど14カ国にすぎず、以後参加国は増え続け、戦後に全大陸から参加するようになりました。

今年のオリンピックでは、チベット自治区の人権問題をめぐって、アテネからの聖火リレーを、各国で妨害する行動が展開されたり、7月には中国の昆明市で、路線バス2台が連続爆破される事件が起こりました。

これまでもオリンピックは二度の世界大戦(大戦中の3回は中止)や、1936年のベルリン大会では、ヒトラーの国威発揚への利用など、その時々の
戦争と政治的な対立に翻弄されてきました。

こうした影響をうけながらも、オリンピックは平和を求めるスポーツ祭典として、着実に発展してきました。また今、世界には五つの大陸に平和を求める新しい流れが広がってきています。日本でも靖国派の戦争美化や憲法9条改悪への逆流もありますが、4月には「航空自衛隊によるイラクでの空輸活動は憲法違反」、「平和的生存権は、憲法上の法的権利」と認める名古屋高裁の画期的な判決が出されるなど、平和の流れも前進しています。

北京オリンピックではその成功と、すべての国民の「平和的生存権」の確立で、オリンピックがスポーツ祭典として今後も発展していくことを期待します。4年をかけてこのオリンピックに備えてきた世界のアスリートの活躍と日本選手団の活躍を応援していきましょう。