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福祉労働者の健康をまもるとりくみ

9月に堺市の病院職員4人が、入院していた全盲の糖尿病患者を、西成区の公園に置き去りにした事件がおこりました。看護師不足、医者不足や医者の過労死が社会問題となる一方で、ぎりぎりまで我慢し、病院にかけこむ妊婦や低所得者の患者の医療問題がおこっています。こうした背景には、国の医療費抑制策、社会保障予算抑制策があります。

福祉職場でも社会保障予算抑制策のもと、介護保険制度や障害者自立支援制度が導入され、企業参入や介護報酬の引き下げなどにより、急速に非正規職員化がすすみ、福祉職員の6割をしめる20代から30代の若い職員が、ワーキングプア化しています。また高齢・介護職場や障害関係職場を中心に、職員を募集しても応募者がこない職員不足問題が深刻になっています。

07春闘要求アンケートでは、長時間過密労働の実態として、「普段の仕事で心身に疲れを感じる」が92・2%、「仕事や職場での強い悩み・ストレスを感じる」が82・5%にのぼっています。職員のメンタルヘルス問題も広がり、労働組合共済の休業給付の10%弱は、メンタルヘルス不全が理由になっています。

福祉労働者のメンタルヘルスについては、新福祉人材確保基本指針でも、「労働環境の改善」のひとつとして、「健康管理対策等」が盛り込まれ、「健康診断の実施、腰痛対策等の健康管理対策の推進」、「心の健康の相談体制の整備などメンタルヘルス対策等の推進」、「医療機関や保健所等との連携、感染症対策の推進」が、国、自治体、関係団体、経営者の役割としてあげられています。しかし、パブリックコメントでの厚労省の対応は、メンタルヘルス対策について、「介護労働安定センターや福利厚生センター等が行うメンタルヘルス事業等の推進に努めてまいります」と、関係団体まかせです。

国民・労働者にとって、命と健康は何よりも大切なものです。福祉労働者の健康をまもるとりくみが、あらためて重要になっています。