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カントが提唱した世界平和が実現可能な時代

18世紀の終わりに、カントが「永久平和のために」(1795年)という著作で、各国の軍隊の廃止や国際連合を提唱し、210数年がたちました。この間、二度の世界大戦をへて、日本では軍隊や戦争を放棄した憲法9条がつくられ、世界では国際連合ができ、世界平和への努力は続いています。

第1次世界大戦の後につくられた国際連盟は、その平和への役割をはたせず、第2次世界大戦にたいして無力でしたが、人類は悲惨な大きな犠牲をはらいながら、世界平和への努力をつづけてきました。

日本共産党の不破哲三氏は、「いま世界がおもしろい」という論文で、21世紀のいまの世界が、「地球の歴史上はじめて、いくら力がある大国でも、他国を植民地にすることはできない、世界はこういう時代にはいっています」と、いまの世界の歴史的な変化を指摘しています。またどんな大国の軍事力も他の国を思いのままにできず、「世界は、外交がいよいよ重要な意義をもつ時代を迎えている」ことも指摘しています。

国際連合の役割についても、その大きな変化を指摘しています。アメリカがイラク戦争を始める前、国連ではこの戦争にお墨付きを与えるかどうかで大議論が交わされました。結局、アメリカは国連のお墨付きを得られなかったのですが、「戦争が始まる前に、その戦争が正当なものかどうかを国際会議の舞台で議論したのは、世界の歴史でこれが始めてではないでしょうか。」と指摘しています。

こうした不破氏の指摘は、210数年前にカントが提唱した世界平和が実現可能な時代に入ってきていることを示しています。

先日、南米の大統領が来日して、自分の国の憲法をつくるにあたって、日本国憲法第9条を参考にしたいと安倍首相に語りました。

国内では、安倍内閣は9条改悪をめざして、改憲手続き法を強行成立させましたが、これからの世界平和にとって、明らかに憲法9条はかけがえのない宝となっています。なんとしても憲法9条をまもりましよう。