■組合の主張・焦点■ 戻る

冬季オリンピック開会式の感動を現実に

2月10日から始まった冬季オリンピックは、閉会を迎えた。すでに「天声人語」(朝日新聞:13日朝刊コラム)が、冬季オリンピックの開会式のすばらしさを取りあげてい
る。ここでは、「天声人語」が触れていない開会式の素晴らしさについて記しておきたい。

確かにパヴァロッティーが歌い上げた「私は勝つ。勝利する」はすばらしかった。しかし、歌声は参加した選手へのメッセージだけではなかったように思う。「天声人語」は、オリンピックの開会式が大がかりな機械仕掛けのテレビむけになってきたことへの批判として、パヴァロッティーを持ち上げているだけに終わっている。パヴァロッティーの歌声とトリノ五輪開会式の感動は、オノ・ヨーコの平和へのメッセージ、今日の世界を代表する六人の女性たちによる五輪旗入場、そしてパヴァロッティーの歌声と一連してこそ、あらためてトリノ・オリンピック開会式の感動と素晴らしさを実感できるように思う。オノ・ヨーコは夫ジョン・レノンの"イマジン"を語り、平和を訴えた。彼女は20年以上も前から、こんなことをいつも訴えているという。

A dream you dream alone
Is only a dream
A dream you dream together
Is reality
(ひとりでみる夢はただの夢みんなでみる夢は現実となる)

このようにオノ・ヨーコが大観衆を前に、平和を切々と訴えた。

五輪旗の女性、たとえばソフィア・ローレンは数々の反戦をテーマにした名画に主演してきたイタリアを代表する名女優である。ハリウッドスターのスーザン・サランドンは、きびしくイラク戦争を批判し、飢餓に苦しむ子どもたちへの支援活動にとりくんでいるという。ケニアの女性環境大臣も五輪旗・旗手のひとりであった。

21世紀は平和の世紀であり、平和の女神として女性が登場し、巨大なオペラ座が開会式場に登場し、そのなかでパヴァロッティーは「私は勝つ。勝利する」と、張りある声で歌い上げたのであった。