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将来展望を青年たちと語り合う時代では

突然の総選挙結果は、自民党296、公明党31と、与党連合があわせて3分の2をこえる327議席を得る圧勝で終わった。憲法第59条の2項は「衆議院で可決し、参
議院でこれと異なった議決をした法律案は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる」と記している。この点だけで今回の選挙結果をみるならば、国民は小泉自・公連立与党にすべての案件を『白紙委任』も同然の結果をつくり出してしまった。

しかし、今回総選挙結果の議席数は、小選挙区制度という選挙制度のまったくのマジックである。実際に自・公与党が得た得票数は、小選挙区で49.1%であり比例代表で51.1%と与野党の得票は拮抗しており、結果にあらわれた議席数とは大違いである。

とはいえ、小泉自・公与党の勝ちは勝ちである。今後4年間、自・公与党はこの「勝利」をけっして手放さず、消費税をはじめとする増税案や社会保障制度の総破壊、憲法改悪と軍拡路線を"あの手この手"を使い、あたかも国民の絶対多数の支持を装ってすすめてくるであろう。

その点、運動をとりくむ私たちは、自・公与党勢力が議席数3分の2という結果に目を奪われるのではなく、彼らの得た得票数にこそ目をむけて、彼らがけっして国民の絶対多数の支持をうけているのではないという前提にたって運動をつくることが重要である。

同時に、先行き不透明で混迷した時代、国民の多くが将来展望の明確さを求めているのも確かなことである。この将来展望を、議会制民主主義の否定と強権集中の"ファシズム"的リーダーシップ性に求めるのか、科学的な分析と少数意見の尊重をふくめ民主主義の大きな論議と国民主権の世論形成で実行性のある将来展望をつくっていくのか、問われる時代ともなっている。

今回の総選挙は、都市無党派層とりわけ青年層のなかに自・公与党支持が広がったという。青年たちと未来展望をどのように語り合うのか、本当に重要な時代である。