■組合の主張・焦点■ 戻る

二大政党制は「勝組・負組」の競争原理

11月9日投票の総選挙にむけ、マスコミは連日のように二大政党制による「政権後退」論を報道している。あたかもアメリカの大統領選挙が共和党と民主党で争われる状況を、わが国に定着させようと必死の感すらある。
今回、総選挙直前の自民党総裁選挙では総裁候補者は街頭で宣伝合戦をおこない、連日のようにマスコミはそれを報道した。民主党の場合も自民党ほどではないが、衆議院解散の直前に民主党と自由党の選挙目当ての合併劇を、マスコミは大々的に報道している。
マスコミは今回の総選挙の最大争点が、二大政党による「政権交代」であるかのような論調である。総選挙を前にマスコミは、なぜここまで二大政党制を強調し「政権交代」争点づくりをしているのであろう。このようなマスコミの異常なまでの報道体制は、本当に国民世論を背景にしたものなのであろうか。
マスコミのこのような姿勢の背後には、じつは財界の周到な計画があることが明らかになっている。そのシナリオは経済同友会の「首相のリーダーシップの確立と政策本位の政治の実現をめざして」である。そこには二大政党制が強調され選挙は「政権政策」(マニフェスト)と単純小選挙区制導入の必要性を説く。あわせて日本経団連は憲法改悪や消費税増税を政治にもとめ、財界の意にそった政党に政治献金をすることを公にしている。
このような財界の意をうけて、自民党は2005年をメドに憲法改悪をうたい、民主党は「創憲」の名による憲法改悪をかかげる。消費税増税にいたっては、両党とも「構造改革」推進とあわせて消費税増税を競いあって掲げている。
ところで民主主義は、種々の意見・世論を反映してこそ民主主義である。ちなみに言えば、「憲法改悪」反対を共産党や社民党は掲げ、消費税増税についても共産党は真っ向から反対する。
今回の選挙は、国民生活を守り憲法擁護が最大の争点である。マスコミに惑わされず、自らが考え選挙権を行使することが、くれぐれも肝心である。