■組合の主張・焦点■ 戻る

賃金底上げ要求に確信をもとう

 「03国民春闘」のとりくみがはじまる。大阪地方本部は二月二日の臨時大会で、春闘方針をきめる予定となっている。
 全労連は「月額一万円・時給額五○円」の賃金底上げ要求をかかげているが、「連合」は賃金要求をかかげていない。「連合」は賃上げよりも雇用を重視し、長時間労働手当の完全実施を要求しているという。ところで、賃金底上げ要求と雇用拡大は、どちらが必要なのかという二者択一の課題なのであろうか。長期につづく深刻な不況のもとで、いま大切なことは賃金底上げも雇用拡大もともに重要課題となっている。日本経済の六割をしめる個人消費が冷えこんでいるとき、景気回復のためには両者とも必要なことであり、さらには社会保障拡充や国民全体を対象にした減税政策である。
 福祉労働者の賃金であるが、いつまでたっても低賃金状態がつづいている。大阪府下の全産業労働者の平均賃金が二○〜二四歳の若年労働者で二一ニ、九○○円にたいし、「公私間格差是正標準給与表」モデル(以下、「福祉労働者モデル」と略)では一九五、三八○円と一七、五二○円(八三%)も低いものである。トップ賃金(五○〜五四歳)をみても全産業平均が四六四、○○○円にたいし、福祉労働者モデルでは四○五、二四○円と五八、七六○円(一三%)もある。一○〜九九人規模の小零細企業の平均トップ賃金(五○〜五四歳)が三九七、二○○円であり、わずかに福祉労働者モデルが八、○四○円上まわる。ちなみに小零細規模の若年者賃金の平均は二一七、三○○円と福祉労働者モデルよりも二一、九二○円(一一%)も高い。民間福祉労働者の賃金はまさに小零細規模並の賃金であり、こではとても専門労働者の賃金水準といえるものではない。賃金は労働力の再生産費であり生活費である。労働者の専門性が高いほど、衣食住費だけでなく技量研鑚費が賃金に含まれなくてはならない。
 福祉労働者の専門性は、単なる家事労働にすぎないのであろうか。決してそうではないと思うのであるが。