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「構造改革特区」で、いっそうの福祉市場化を推進

 現在、ひらかれている臨時国会に政府は、「構造改革特区」法案を出すという。構造改革特区推進本部は、特養ホームの営利企業参入などを盛りこんだ「構造改革特区推進のためのプログラム」を決めている。
 「構造改革特区」とは、聞きなれない言葉・概念である。小泉構造改革の推進のために設置されている内閣府・総合規制改革会議は、七月二三日に「中間とりまとめ−経済活性化のために重点的に推進すべき規制改革」を発表している。この中で「規制改革特区」の基本理念を、以下のように定義し説明をおこなっている。@特定地域を限定し、その地域の特性に注目した規制改革を実施、Aこの地方での規制改革を全国的な規制改革につなげ、わが国全体の経済活性化をはかる。B具体的には地方自治体が自発的に規制改革の内容を立案し、制度や対象は可能なかぎり幅広くする。C自治体がおこなう規制改革には、国として従来型の財政措置はとらない、等々である。
 要は、自治体を単位にいっそうの規制緩和を推進するために、設けられるのが「構造改革特区」なのである。
 今回の「構造改革特区」法案では、社会福祉法や学校教育法、農地法など一四の法に特例を設け、地方自治体が首相に申請をおこない、「特区」認定にさいしては各省庁の同意を必要とする内容となっているという。
 社会福祉法関係では、@特養ホームの建設に際して保育所と同じようにPFI方式による株式会社の参入を認める。A高齢者と障害児者のデイサービス事業の相互利用を認める。B児童入所施設と障害児通所施設の調理の外部委託を認める、C幼稚園の入園年齢を二歳に引き下げ、幼保一元化を認める。以上の四点が主な内容となっている。
 「構造改革特区」が認められることになれば、大阪府政の福祉切りすての行財政計画はいっそうの拍車がかかるであろう。大阪市も同様である。
 その意味では、見過ごす事のできない福祉改悪のあらたな段階である。