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春闘って何?−春闘の意味と意義−

春闘は、日本のはたらく労働者が毎年四月からの賃上げをめざして、総決起してたたかってきた歴史をもつ、わが国にしかない運動形態です。
もし「賃金は毎年自動的に上がるもの」と思っていたとすれば、それは正しくありません。法律で「定期昇給の保障」などは、どこにも記されてはいません。労基法第二条に「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである」と、記されているだけです。ですから、「どれだけの賃金にするのか」、「今年はどのように格付けするのか」等は、労使の交渉で決めなくてはなりません。とりわけ、賃金は労働条件の重要な構成要素の一つなのですから、なおさら対等関係の交渉が重要です。
ところで、仮にはたらく労働者が一人ひとりバラバラで経営と交渉することになれば、それは真の意味での対等関係で交渉したことになりません。労働者は経営から「雇われている」という、弱い立場にあるからです。だからこそ、労働者は経営と対等関係にたつために、組織をつくり集団の力を発揮する。それが労働組合です。
最近はあまり耳にしませんが、「春闘相場」というのがあります。春闘相場とは、春闘でたたかいとったその年の賃金水準です。
公務員はいまの法律では、団結権や団交権はあっても争議(直接行動)権はありません。その代償として民間賃金と格差が生じた時、人事院が公務員賃金の引上げを内閣と国会に勧告する制度となっています。この時、官民の賃金格差の物差しとなるのが「春闘相場」です。こうしてみると民間福祉労働者の賃金水準は、春闘相場と人勧でなりたっていることが見えてきます。