■運動方針・2001年度議案書■ | 戻る |
■■■ 2001年度議案書 ■■■ はじめに 福祉労働者の生活と労働条件悪化は、「国民への痛み」のひとつ 参議院選挙がおわり、これから本格的に国民に痛みを求める小泉「構造改革」が始まろうとしています。しかし、選挙戦を通して異常ともいえるような「小泉人気」は、国民への痛みのきびしさや、景気回復どころか日本経済がいっそう深刻になっていることが明らかになり、急速に下降しはじめています。 国民世論が求める改革は、生活安定と将来不安をなくすことであり、その点では社会福祉・社会保障の拡充要求はますます切実にひろがっています。このような国民世論の力は、小泉「構造改革」に立ちはだかる大きな抵抗力となっていくのではないでしょうか。住民の社会福祉・社会保障拡充の切実な願いと、福祉労働者もいっしょになって運動を発展させていくことが、今後いっそう重要になっているのではないでしょうか。 ところで、民間福祉労働者の毎日の生活と将来不安、そして職場の労働条件は日ごとにきびしくなってきています。肉体的も精神的も疲労がかさなり、メンタルヘルスをふくめ健康破壊もすすんでいます。このような福祉労働者の困難さは、まさに「国民への痛み」のひとつです。痛みを求められた当事者の一人として、同じように痛みを求められている人たちと一緒になって、大きなたたかいのうねりをつくり上げていこうではありませんか。 「職場内組合」意識におちいらず、福祉保育労を大きくしよう 大阪府下で民間福祉施設にはたらく職員は、すでに3万人をおおきく上まわっています。介護保険の実施にともないヘルパーやケアマネジャーなど、在宅福祉事業に従事する職員もおおはばに増えています。福祉労働者は福祉施設だけでなく病院や老健施設、在宅事業者など広範囲にひろがっています。従来の「タテ割り行政」のワクをこえて、民間福祉労働者は5万人近くにいっきに増えています。また、パート・非常勤・期限付き雇用など、不安定雇用労働者も急増しています。 大阪地方本部は2001年春闘で「大阪ヘルパー・ケアマネジャー労組」の立ち上げなど、事業所や雇用形態のちがいをこえて、府下に働くすべての民間福祉労働者の組織化を視野に入れた運動を追求しています。 労働組合の社会的な力は、そこに結集する組合員の数こそが力です。すでに2000人の組合員が結集する大阪地方本部ですが、3000人をこえる労働組合を組合員みんなの力で早期に実現していきましょう。また、福祉労働者の労働条件の向上は、府民の福祉をまもり福祉水準向上の重要な条件の一つです。その点で、要求実現の主体的な社会的な力を得ていくためにも、はたらく福祉労働者の要求で団結した福祉保育労大阪地方本部にしていこうではありませんか。 住民と共同、労使共同の運動で世論づくりと政治を変えよう 小泉「構造改革」のもとで、福祉市場化はいっそう拍車がかけられています。住民が福祉サービスをうける権利行使と、住民の生活問題・福祉サービスをお金儲けの事業にすることとは決して両立するものではありません。 今日、民間福祉経営は営利企業との競争、民間福祉経営同士との競争にさらされ、「新会計基準」で国や自治体から経営効率化や営利企業の経営手法の導入を強要されています。なかには積極的にそれに便乗し非営利性を投げすてるような法人もありますが、何とかして非営利性を貫き民間福祉経営の存続をはかろうとしている法人もたくさんあります。大阪地方本部はこのような住民の立場にたった民間福祉経営を励まし、国や自治体の公的責任追及にむけての共同のとりくみを強化していきます。そして、社会福祉事業への企業参入は断じて反対していきます。 以上の点では、住民の立場にたった福祉労働の今日的課題を明らかにし、すでに企業参入がおこなわれている分野については住民の立場にたつ社会的な規制と、そこにはたらく労働者の労働条件向上にむけて公的保障を求める運動を強化する必要があります。 では、どうやって運動を具体化していくのか。答えはいたって明快です。利用者・住民と要求で共同することと、住民の福祉をまもる民間福祉経営との共同です。そして、この共同の力で国や自治体に社会福祉の公的責任を追求し、政治を変える力を大きくすることではないでしょうか。 第1章 私たちをとりまく情勢 (一)小泉内閣と、これからの日本の政治と国民生活 (1) 自共対決の参議院選挙結果 自共対決の参議院選挙の結果と その後に予測される解散総選挙。 (2)国民に痛みを求める「経済財政基本方針」(骨太の方針) a) 小泉内閣は参議院選挙前の6月21日、経済財政諮問会議で「経済財政基本方針」(「骨太の方針」)を決めました。小泉首相は就任いらい、「聖域なき構造改革」「国民に痛みのともなう構造改革」を言いつづけてきました。しかし、深刻な不況が長くつづく下で「骨太の方針」は何の不況対策も示さず、ムダな大型公共事業削減は抽象的に画くだけで、国民に痛みだけをもたらす内容となっています。 b) とりわけ「骨太の方針」が強調する不良債権の早期処理をおこなえば、20万件をこえる中小零細企業の倒産と150万人をこえる失業が生じ、深刻な不況と失業問題はさらに深刻化し国民生活や将来不安はいっそう広がります。 また、規制緩和をさらに拡大し、「医療、介護など公的・非営利の主体によって供給されてきた分野に競争原理を導入」と、医療・福祉のいっそうの営利化が画かれています。 「構造改革」によって大量に生ずる失業問題に「骨太の方針」は、5年間で550万人の雇用創出をおこなうと言っています。しかし、この数字は確たる根拠もなく、対象分野として医療・介護・情報などサービス産業を上げています。さらに、この雇用創出は今日の急増している不安定雇用を前提としており、国民が安心できる失業対策とは決してなっていません。 これから「骨太の方針」にそって、2002年度予算の具体化が本格的にはじまります。この点では、ムダな大型開発の公共事業を削り「国民に痛み」をともなう社会保障の大改悪を許さない、国民的な大運動をつくっていくことが大きな課題となっています。 (3)憲法と平和・民主主義の危機の時代が訪れようとしている a) 「集団自衛権の検討」「靖国神社への公式参拝」は、歴代の首相だれもが言うことができなかったことです。そして、国会でもこれらは「現行憲法に違反する」と、明快な見解が示されています。このような憲法にふれるような問題に対し、小泉内閣は「首相公選制」を足がかりに憲法改悪の危険な意図すらあらわにしています。 「集団自衛権」とは、アメリカのおこす戦争に自衛隊を参戦させることです。すでに昨年の「ガイドライン法」(戦争準備法)制定で、後方支援の名のもとに戦争への国民総動員が可能となっています。残された課題は憲法第九条を改悪し、「有事立法」の総仕上げをおこなうのみです。 以上の点で平和と民主主義・憲法第九条は重大な危機にあり、憲法改悪反対・平和と民主主義をまもる世論を大きく広げる国民運動がおおきな課題となっています。 b)沖縄での米兵の女性暴行事 件は、日本の警察が容疑者を迅速に逮捕できない状態でした。このような事態は日米安保条約(軍事同盟)・基地協定でそのようになっており、安保条約で日本の主権を侵されていることを国民にまざまざと見せつけました。 「沖縄の怒り」にたいし小泉首相は『ギスギスするな』と国民世論を批判し、世論のもとめる基地協定の見直しを否定しています。ここには日本の主権を放棄しアメリカに追随してきた、歴代の自民党政治と小泉内閣の本質を見ることができます。 「自国に誇りを持たせる」目的でつくられた『新しい歴史教科書』は、韓国や中国をはじめ太平洋戦争で侵略をうけた各国からきびしい批判をうけています。各国の批判にたいし、内政干渉だとして批判を拒否する小泉内閣の姿勢は、「靖国神社への首相としての公式参拝」と裏表のものです。 戦前の教育勅語を重視し「皇国史観」を復活させ、太平洋戦争を「侵略ではなく西欧からの植民地解放であった」と、子どもたちに教える『新しい歴史教科書』をけっして認めることはできません。「自国に誇り」をもつ子どもたちを育てるには侵略行為であった太平洋戦争を正しくつたえ、科学的な歴史教育が大切にされなくてはなりません。 社会福祉・社会保障の拡充は、平和と民主主義・憲法を土台にしてこそ成り立つものです。また女性が多くをしめる福祉労働者は、未来をになう子どもたちの健全な成長のためにも、広く国民世論と手をつなぎ『新しい歴史教科書』反対運動の先頭にたつ必要があるのではないでしょうか。 (二)「国民に痛み」を求める社会福祉・社会保障の大改悪攻撃 (1) 競争原理と営利化で公的責任を投げすてる a)「骨太の方針」は福祉・社会保障制度の大改悪を、「自助と自律」「共助」の名で国民に「痛みとガマン」を強要して医療・年金・介護・福祉・保育等の全面改悪をすすめるとともに、いっそうの福祉市場化と営利化をすすめようとしています。 b)医療制度改悪では健保本人負担を3割に引き上げ(大病院の外来は5割負担)と、高齢者医療制度で患者負担の1割から2割への引き上げや保険料徴収が考えられています。「社会保障個人会計(仮称)」を創設して個人の医療給付の総額上限をつくり、その上限をこえた場合はこえた全額を個人負担とするような、血も涙もない大改悪が検討されています。 年金についても3年後が定例の改定期になっていますが、「骨太の方針」では年金保険料凍結を「早期に解除する」と記しています。現行の厚生年金の保険料は労使あわせて17.35%ですが、解除されればいっきに27.8%に引き上げられてしまいます。さらに若年層との格差を理由にして、夫婦で年収350万円以上の年金にたいし所得税を掛けることまで検討されています。 (2)契約制度と営利企業の参入を基礎に、いっそうの公的福祉制度改悪をすすめる小泉「構造改革」 a)厚生労働省は2003年度からはじまる障害者福祉の支援費制度に関して、今年の3月に「支援費制度Q&A集」を出しました。 支援費導入の作業日程では、2001年度には「支援費支給決定に係る事務の大要の提示」「事業者指定基準案の提示」「事業者指定・支援費支給決定にかんする政省令の公布」、2002年度に「都道府県の事務担当者の研修」「支援費基準の骨格の提示」「支援費基準関係の政省令の公示」などを明らかにしています。しかし、実際には国がいまだに内容を明らかにしておらず、大阪府と市町村の具体的な作業もすすんでいません。 今後、支援費方式の導入にあたっては、以下の点を明確にして府や市町村への運動を強化することが重要となっています。(イ)指定事業者に営利企業を参入させないことと自治体を指定事業者にさせる、(ロ)対象除外となっている小規模作業所も対象にさせる、(ハ)障害の指定基準や費用の本人負担基準を受給権者である利用者や家族の意見を尊重させる、(ニ)支援費の積算にあたって最低基準の遵守と正当な人件費を見積らせる、(ホ)施設などの基盤整備をいそぐこととこれまでの市町村補助の打ち切りを行わせない、等々です。 ところで、法人化された小規模作業所運営費は年間1千1百万円であり、措置費施設との大きな格差を生んでいます。この国基準を基本にして、大阪府はこれまでの無認可作業所への補助金を最終的(2004年度)には一型(7人以上)550万円、二型(5〜6人)450万円と改悪させています。同時に15〜19人の認可された小規模作業所にたいし、国基準の330万円の上乗せ補助をおこなっています。 b)介護保険がはじまって1年以上が経過しましたが、あらためて制度の問題が浮きぼりになってきています。無料や低額であったホームヘルプ料に1割の個人負担が導入され、これまで在宅介護でくらしてきた高齢者の施設入所が急増し、制度発足まえに全国で10万人いた特養ホームの待機者は20万人に倍増しています。また、本人負担が高いために介護認定をうけても利用の自己抑制がおき、大阪市で136億円をはじめ全国で3千億円をこえる介護保険料が余るという事態がおきています。 このような下で、保険料や利用料の減免要求運動が全国各地でとりくまれ、大阪府下でも大阪市をはじめ約18の市町村が保険料や本人負担の減免制度を実施しています。この点では、引きつづきの運動の強化が重要です。 ところで、国は2003年度に介護保険見直しを行いますが、いっそうの基盤整備と保険料や利用料の減免制度の拡充を運動化していく必要があります。そして、介護事業に従事する職員の労働条件は、介護事業拡充のおおきな課題として従事する労働者みずからがしっかりと問題や課題を提起していく必要があります。また、特養ホームの収入をみた場合、これまでの措置費収入と介護報酬収入を比較してみると、介護報酬がおおきく上回っています。この点では介護報酬がどのように使われているかをしっかりと分析し、施設経営の今後のあり方と結びつけて人件費問題を解明し、国の負担による介護報酬引き上げの要求を国民世論にしていく必要があります。 c)保育所はすでに通達で営利 企業が経営することができるようになっており、すでに全国で10ヶ所以上の認可保育所が営利企業で経営されています。今日の事態はまだ萌芽の状態ですが、三鷹市の公立保育所の民間払い下げを例にみたとき、年間運営費が直営で1億6千万円、社会福祉法人で1億2千万円なのに対し、払い下げをうけたベネッセは7千8百万円で落札しました。このような低単価での落札をみたとき、今後さらに広がっていく事であろうことを予測しないわけにはいきません。 国は「骨太の方針」をうけた保育待機児対策として、15万人入所増員の新たな保育対策を出しています。そして、この新対策には営利企業参入を積極的に打ち出しています。また、一程の基準があれば定員枠の25%増の認めたものとなっています。このような国の方向は、つめ込み保育と労働密度の強化、非常勤やパート・期限付き雇用労働者などによる人件費抑制など、経済性や効率性を基本にした安上がり保育対策以外の何ものでもありません。 養護施設での虐待児問題をはじめ、子どもたちをめぐる危機、家族と子育ての危機、地域での子育ての危機の言われる今日、先進国といわれる国の中で日本は子どもたちに負担する財政は最低の国となっています。「少子化」社会であるからこそ、公的な保育や子どもたちを守る福祉制度の拡充を、地域住民といっしょになった運動を大きく育てることが重要となっています。 d)いま、福祉職場にはたらく多くの職員が身体も心も疲れはて、低賃金と劣悪な労働条件、不安定な雇用条件のもとで「一生の仕事としていけるのであろうか」と不安をもち、希望を失っています。そして、その疲れは労働強化と重なり合って、組合活動にすら支障をきたす状況を生んでいます。 また、民間福祉経営は企業との競争や「競争原理」による経営「合理化」を強いられ、社会福祉事業のあり方そのものが問われる時代をむかえています。4月から導入されている「新会計基準」は、人件費を抑制して、法人みずからに施設建設や施設の建直しのために内部留保をさせるための会計基準です。 この点では、国と自治体、行政と民間福祉経営、民間福祉経営とそこにはたらく職員、住民と行政や福祉経営等々、それぞれの間の矛盾を拡大激化させています。 しかし、これらの矛盾の元凶は長年つづいてきた自民党の国民不在の悪政と、福祉制度大改悪攻撃の結果です。このことを曖昧にすれば、それぞれの間の対立は深まるばかりで解決と運動の方向を見出すことはできません。しかし、反対に国民をはじめ関係者がしっかりと認識できれば、かってない大きな共同の輪を作り上げることのできる条件ともなるものです。すでに、大阪地方本部と社会福祉経営者同友会は共同して「公的責任・福祉労働共同検討会」をはじめていますが、それは労使共同の運動のはじまりでもあります。また、春闘時期に大阪社会福祉経営協議会との間でも、今日の民間福祉経営と社会福祉の課題、労働条件問題等について懇談が持たれ、業界の世論形成づくりの第一歩を歩みだしています。 (三)地方自治の危機と、新たにはじまる府民生活犠牲の府「新行財政計画」 (1) 府民の福祉水準向上の条件となってきた公私間格差是正制度 a)28年前からはじまった大阪府・市の公私間格差是正制度は大阪府(市)民の福祉をささえる民間福祉施設の経営安定と、福祉労働者の労働条件向上におおきく貢献してきました。行革推進で公立施設の建設がストップし民間福祉施設が増えつづける下では、府(市)民の福祉水準の維持と向上の直接的な条件ともなってきています。 大阪府や府社会福祉審議会は公私間格差是正制度のはたしてきた役割を認めながらも、「規制緩和と行革は時代の流れ」と言わんばかりに2000年度から5年間の激変緩和の暫定措置をとりながらも改悪にふみ出しました。年度当初は95%の暫定率から出発しましたが、年度末の清算では暫定率を99%に回復させています。 決算の実績で99%の暫定率が可能であったことを見たとき、2001年度当初の暫定率は99%から出発するのは当然です。事実、予算案を議会提出直前にひかえた交渉では、「限りなく99%に近い暫定率から出発する」「一律単価払い方式についても見直しの検討が必要」など、担当課からは前向きの姿勢が示されました。しかし、実際には昨年と同じように暫定率は95%であり、さらに、その後の交渉では「年度末の清算でも95%の線はくずさない」と、担当課はこれまでの姿勢を一変させてきています。 b)いっぽう大阪市の場合は経営関係者や大阪市支部のねばり強い運動を反映して、ほぼ現行水準を維持させてきています。この大阪市への運動で得た成果は府と市との間の矛盾をつくりだし、今後の大阪府や堺市への運動をすすめる上でも重要です。 (2)福祉総切りすての府「新行財政計画」とムダづかいのオリンピック事業 a)公私間格差是正制度での大阪府担当課の態度の一変と強硬姿勢の背後は、9月に決定されようとしている「新行財政計画」がもとになっています。 「このまま推移すれば2005年以降、大阪府は赤字債権団体になる」と危機感をあおって策定された横山府政時代の「財政再建プログラム」は実行されたにもかかわらず、太田府政の下で大阪府財政は引きつづき借金がふくらみつづけています。たしかに深刻な不況の下で税収はおち込んでいますが、最大の問題点は自民党政府に追随した大型開発公共事業をつづけていることです。それは、総額1500億円の府税を投入する関空第2期工事が象徴しています。 「新行財政計画」では、府職員の3千人削減、府立病院の民営化、府立大学の独立法人化等々、小泉内閣の「国民に痛みをともなう構造改革」のまったくの府民版となっています。また、府立施設の民営化とコロニー事業団の民間払下げ、公私間格差是正制度改悪の時期繰上げ等、いっそうの福祉切りすて策が盛りこまれています。 このような情勢のもとで、「これ以上の府民生活への犠牲転嫁はゴメンだ」と、新たに大きな府民運動を呼びかける「府民要求運動連絡会」(仮称)のとりくみが始まろうとしています。この運動は、福祉問題と福祉拡充の要求を世論化していくうえでもたいへん重要なとりくみです。大阪地方本部としても、この運動に積極的に参加をしていくことが重要です。 b)2008年オリンピック招致を旗頭に、大阪市はオリンピック関連のかずかずの大型開発公共事業をすすめています。しかし、すでに周知のようにオリンピックは北京開催が決まり、大阪市は開催地を決める投票ではわずか6票の最下位のありさまでした。ムダづかいの巨額の財政投資をし環境破壊をすすめるようなオリンピック事業は、国際的にみても支持されないことがあらためて証明されました。ところが磯村大阪市長はオリンピック競技場の建設中止は表明したものの、何の反省もなく舞州への地下鉄工事など関連事業を続けようとしています。 これまで大阪市政は「集客で景気回復を」と様々な大型開発の公共事業をすすめ、市の財政を急速に悪化させています。そして、オリンピック招致の失敗を契機に、これらの問題が一気に市民の間に明らかになってきています。磯村市長の責任は重大であり市長リコール運動など、市政刷新の市民的な運動を大きく広げていくことが今後のおおきな課題となっています。 同じように国に追随して大型開発公共事業つづけ、財政破綻寸前の府下2番目の大都市である堺市では、9月に市長選挙がとりくまれます。今回の市長選挙では保守良識派と革新陣営が共同して候補者を擁立し、これまでの市民不在の堺市政の正す気運が大きく広がっています。この点では、東大阪市につづき堺市政の民主化を、府民的に実現していくことが重要な課題となっています。 (4)地方切りすての小泉「構造改革」で、国と自治体の矛盾拡大 a)現在、国民のおさめる税金の国税と地方税の比率は2対一と、圧倒的に国家にあつまる制度となっています。このような制度のもとでは、人口も少なく農業主体の地方は住民税や法人事業税も少なく、大都市と地方とのおおきな格差を生むしくみとなっています。そのために政府は地方交付税交付金を支出し、大都市圏と地方との格差をうめることを行っています。 ところが小泉「構造改革」は、1兆円の地方交付税交付金の削減をおこなおうとしています。このような事態にたいし、すでに全国町村長会や全国の八府県知事から「交付金の削減は地方財政危機と地方自治をおかす」と、猛烈な反対運動がおきています。 今日、全国的に起きている深刻な地方財政危機は、歴代の自民党政府の「公共事業50兆円、社会保障20兆円」という、ムダな大型開発公共事業を地方に押しつけた結果の産物です。このような誤った国の政策になんの反省もなく悪政のツケを地方にまかせ、さらに地方を切りすてるような「構造改革」は全国各地の自治体からおおきな反対の声が上がっています。 b)「構造改革」では地方財政危機をテコにして全国3千ヶ所の市町村を統合して、1千ヵ所にへらす広域自治体づくりをめざしています。 ところで「地方自治の尊重」は憲法の基本理念の一つであり、住民が生きた民主主義を発揮する重要な舞台でもあります。そして住民生活に直結した地方自治体は、公的福祉制度を体現する最前線でもあります。その点では小泉「構造改革」がすすめようとしている自治体を広域化すればするほど、住民の意思や意見は遠のき民主主義の形骸化が懸念されます。また、住民自治を基本に福祉を発展させる点からみても、広域自治体はけっして有効なものではありません。 小泉「構造改革」のめざす市町村合併は地方分権を名目化して実際には中央集権化をいっそう強めるものであり、地方自治を破壊する以外の何ものでもありません。この点を明確にして、今後の市町村合併反対の世論をおおきく広げていく必要があります。 (四)新しい国づくりを願う国民世論が、いちだんと大きく広がる今日の時代 (1)「小泉人気」は、抜本改善をねがう切実な国民の声の反映 4月以降、突然にふってわいた「小泉人気」は、まさにこれまでの自民党政治の悪政転換をねがう国民の切実な声の反映です。小泉首相は自民党の総裁選挙にあたり、「自民党を変える」「日本を変える」と絶叫し、国民の大きな期待と支持をあつめて首相の座にすわりました。 しかし、打ちだした「構造改革」は長年の自民党政治の最終版であり、「国民への痛み」「アメリカ政府への追随の聖域化」という最悪のものです。このような小泉内閣の虚像と実像は時間とともに国民に明らかになり、発足当時のバクハツ的な支持率も下降線をたどっています。 この点では、国民に痛みのともなう「構造改革」を国民はけっして受け入れておらず、反対に国民生活を大切にした真の抜本改革、国民が主人公の改革を願っていることが明瞭になってきています。国民が主人公の21世紀の日本社会をつくる政治変革の世論をひろげる条件は、小泉「構造改革」を強行しようとすればするほど大きくなっています。 (2)二一世紀をになう新しい労働運動が芽生えはじめている 全労連と連合の2つの労働運動ナショナルセンターが発足して13年がたちました。 ところが深刻な不況が長期につづき、政治と経済や国民生活が密接に結びついていることが明らかになった今日、2001年春闘で二つのナショナルセンターは「賃金の底上げ」「サービス残業をなくせ」「雇用の安定」などの要求と課題の一致がはじまっています。そして、2年前の年金改悪反対闘争や昨年の「解雇規制法」制定運動など、国会内での部分共闘もはじまっています。 しかし、連合は政治路線では民主党一党支持をきめており、先の参議院選挙では民主党の「構造改革支持」路線を批判しながら、それでも民主党一党支持をつづけています。これは連合自身の自己矛盾で、連合傘下の組合員の中に路線の転換を求める声もおきはじめています。 要求と課題の一致点を追求していけば、新しい21世紀の労働運動を発展させる条件が生まれているのが今日の到達点です。 第2章 たたかいの基調と重点課題 (一)業界や自治体に大きな影響 力をもつためにも、3千人以上の組合員が参加する福祉保育労大阪地方本部づくりを、すべての支部・分会・組合員の参加で取りくみをすすめます。 (1)6月の大阪地方本部の府交渉では、大阪府から「昨年1年間に予想をはるかに上回る中高年の職員が退職していた」ことが明らかになりました。このことは組合のない福祉施設では、公私間格差是正の暫定措置の下でリストラや退職強要がおきている事を、十分に予測することができるのではないでしょうか。 労働組合の社会的な力は、組織された組合員の数の大きさです。この点で、公私間格差是正の存続をはじめとした自治体や国への制度要求や職場諸要求の実現のためには、労働組合のない職場に従事する労働者を日常的・計画的に福祉保育労大阪地方本部に組織することは、今日のきびしい福祉切りすて攻撃に対決していく上での最重点の課題となるものです。 【重点の課題】 a)府下3万人をこえる福祉職場に従事する労働者を対象に、加入ポスターの貼りだし、「ともしび」「福祉のなかま」(中央本部機関紙)の読者拡大、加入よびかけのリーフレット配布など、知恵と工夫を発揮して福祉保育労大阪地方本部を知らせる宣伝行動を旺盛におこないます。 b)福祉保育労大阪地方本部のホームページ開設を開設し、新しいメディアに対応した日常的な宣伝活動を強化します。 (2)今日の国や自治体の福祉切りすて攻撃の下で、パート・非常勤・期限付き雇用などの不安定雇用の福祉職員が急増しています。 ところで今、福祉保育労大阪地方本部の分会のある職場ではたらく労働者は、パート・非常勤・期限付き雇用の労働者を含めれば約5千人います。この点では、支部・分会で意識的にパート・非常勤職員の組織化を積極的にとりくみます。また、すべての分会が過半数以上の職員の組織化をめざし、当面2500人以上の福祉保育労大阪地方本部づくりをめざします。 【重点課題】 a)パート・非常勤・期限付き職員など不安定雇用労働者の組織化にむけては、組合費を1%プラス350円の特別措置をとり、不安定雇用職員の組織化を積極的にとりくみます。また、現行規約の組合費の減額申請は従来どおりに取り扱っていきます。 b)大阪ヘルパー・ケアマネジャー労組」(略称・大阪ヘルパー労組)の拡大強化を、地本・支部で計画をもって具体化していきます。 (二)組合員の要求をたいせつにし、要求で団結しその実現をめざす原則的な組合活動を職場に定着させていきます。また、福祉職場の「働くルールの確立」にむけて社会世論化のとりくみを強化します。 (1)国や自治体の福祉改悪攻撃と、福祉要求の多様化や「処遇困難」者・児が増えるなどの下で、福祉職場では労働密度強化や長時間労働・サービス残業の増大、職員の疲労蓄積や健康破壊など様々な問題を生んでいます。また、これらの状況は職場で日常の組合活動をすすめるうえで、大きな困難な条件の1つともなっています。 このような諸問題や困難な状況があるからこそ、職場での日常の組合活動を活性化するための知恵と工夫や、分会指導部の確立と役割が重要です。大阪地方本部の活動の基礎単位は分会であり、分会を法人単位に結成し職場の組合活動を強化していきます。 【重点課題】 a)常的な職場での組合活動の定着をめざし、「職場ニュース」の定期発行と、分(班)会会議の定例化を定着させていきます。そのためにも、分会指導部確立と指導部の団結強化をめざします。 b)要求で団結し、原則的な組合活動の定着をめざして、中間指導部としての支部体制の確立を追求します。分(班)会は支部に結集し、支部単位の分会代表者会議(分会長会議)を成立させていきます。 c)組合員や福祉職場に従事する労働者の要求を重視して「要求アンケート」「組合員意識調査」「職場実態点検活動」などの調査活動を強化し、福祉労働者の生活と職場の実態に根ざした要求を大切にした運動をとりくんでいきます。 (2)全労連・大阪労連は、昨年から3ヶ年計画で「はたらくルール」(賃金の底上げ、解雇規正法制定、労働時間短縮の3つの課題)署名運動を取りくみはじめています。また、福祉保育労中央本部は第2期福祉ウェーブ運動の一環として、全労連の「はたらくルール署名」をもりこんだ「福祉拡充と福祉労働者の労働条件改善」(仮称)の署名運動を計画しています。 大阪地方本部は世論づくりの武器として、署名運動を積極的にとりくんでいきます。 【重点課題】 a)中央本部の提起する署名運動を全労連・大阪労連の「はたらくルール署名」を含んだものと見なして、20万筆を目標にとりくみます。 b)大阪府にむけて、「公私間格差是正の抜本改善」を求める大阪地方本部の署名運動を、20万筆を目標にしてとりくみます。 (三) 小泉内閣のすすめる国民に痛みをもとめる「構造改革」を阻止し、国や自治体に公的福祉制度の拡充をめざします。 (1) 福祉保育労大阪地方本部の 2001年国民春闘では、専門職にふさわしい経験年数を基礎にした職務給賃金体系の確立(初任給20歳・20万円、経験年数18年・40万円、経験年数30年・50万円)と、パート・非常勤職員等の不安定雇用職員の賃金底上げ(時給1800円、日給12000円)にむけ、福祉労働者の賃金・労働条件の抜本改善にむけて社会的要求として運動化していく事を提起してきました。組合員全体の中でこの運動課題を引きつづき討議し、確信を深め世論づくりの行動を強化していきます。 【重点課題】 a)社会的要求として運動化するために、「私たちの要求水準が社会的に妥当なものなのか」「どうやって社会的な理解と合意を得ていくのか」の2点について、組合員の討議を深めていきます。 b)福祉黒書づくり運動(中央本部の提起する「1千万人レポート運動」)で、いま福祉と福祉職場の実態を明らかにし、世論づくりの武器にしていきます。 c)住民福祉の担い手問題(福祉労働者の労働条件問題)の解決は、国民の福祉拡充の大きな条件の1つという社会的合意をつくる諸行動にとりくみます。 (2)小泉内閣の「構造改革は」ますます深刻化する不況問題に何もふれず、引きつづきの大企業や大銀行・ゼネコン優遇の施策であることが時とともに明らかになってきています。また、累積660兆円をこえる国の借金の原因も解明しないままに、地方交付税削減と社会保障制度の大改悪で地方自治体と国民にだけ痛みを押しつけるものとなっています。 この点では、公的福祉制度の拡充を求めて国と自治体への運動を強化していきます。 【重点課題】 a)府をはじめとした府下の自治体と議会にむけて福祉拡充を国に求める請願・陳情などのキャラバン行動を他団体といっしょになってとりくみ、自治体をまきこんだ国への運動を積極的にとりくみます。 b)民間福祉経営の危機や不安定さの問題について、大阪地方本部は福祉労働者の雇用と労働条件問題と利用者処遇の低下の問題として位置づけ、営利企業の参入反対と民間福祉経営を守るための労使共同のとりくみを旺盛にすすめていきます。 (3)大阪府は国に追随してすすめてきたムダな大型開発公共事業による財政危機を、まったく反省もせずに「新行財政計画」を打ちだし、これまで以上に福祉切りすてをすすめようとしています。また、大阪市もオリンピック招致に失敗しながら、引きつづきオリンピック関連の大型公共事業推進をつづけています。 福祉拡充の施策は地方自治の根幹の1つです。その点では「大型開発公共事業よりも住民のくらしと福祉を優先せよ」の旗をかかげ、自治体闘争を強化していきます。 【重点課題】 a)府民の福祉や医療・教育・中小企業対策などを切りすて、大型開発公共事業の優先やベンチャー企業育成の「新行財政計画」に反対していきます。 関空2期工事反対を軸に、府民の福祉とくらしを守る「府民要求実現運動連絡会」(仮称)結成が予定されています。大阪地方本部はこの運動に積極的に参加し、福祉拡充を府民といっしょにとりくんでいきます。 b)大阪市のすすめるオリンピ関連事業に反対するとともに、府下市町村にたいしこれまでの大型開発公共事業型の施策から住民の福祉とくらしを守る施策の転換を求めた運動を強化していきます。 (四)憲法改悪のうごきに反対して憲法と教育基本法、平和と民主主義をまもり、国と自治体の政治革新をめざします。 (1) 社会福祉の基礎は平和と民主主義であり、平和と民主主義の破壊や攻撃は社会福祉拡充の願いへの重大な挑戦です。ところが今日、小泉内閣の「首相公選制」や集団自衛権を口実にした憲法改悪のうごきは急速です。そして、憲法改悪の「露払い役」のようにして教育基本法の改悪がすすめられようとしています。大阪地方本部は、このような平和と民主主義をおびやかし憲法改悪のうごきには断じて反対していきます。 【重点課題】 a)小泉内閣は「聖域なき構造改革」を掲げていますが、沖縄での米兵の女性暴行事件にみられるようにその根源となっている「日米安保条約」には一切手をつけようとしていません。大阪地方本部は日本の主権と平和・民主主義をおかす日米安保条約の廃棄を求め、府下の諸団体とともに行動を強化していきます。 b)平和と民主主義、憲法改悪のうごきにたいし、組合員がつねに関心をもち意識を高めるための討議や職場での諸行動を積極的に組織し、そのための宣伝活動をつよめます。 (2) 消費税が創設されたとき、 そこで盛んに論じられたことは高齢社会での福祉財源問題でした。しかし、消費税1%が2兆5千億円と莫大な税収にもかかわらず、この間、高齢者福祉のみか社会福祉予算全体が大きく削減されてきています。80年代の第2臨調行革いらい、今日の小泉内閣の「構造改革」にいたるまで「小さな政府論」をたてに、福祉・社会保障予算は大幅に切りすてられてきています。このように見てくると政治とは、「国民からどのように税金を取りたて、徴収した税金をどのようにつかっていくのか」が課題になっていることが明瞭です。その点では大阪地方本部か要求としてかかげる公的福祉の拡充と、その下での福祉労働者の労働条件の抜本改善の課題は、まさに政治そのものの課題となっています。 【重点課題】 a)大阪地方本部は、支部・分(班)会での政治学習や討議を日常普段にとりくみます。また、組合員の政治信条や政治活動を保障するとともに、協力共同の関係にある日本共産党の国政や地方自治体での躍進に大いに期待します。 b)今年9月に堺市長選挙が予定されています。府下2番目の大都市の堺市に革新・民主市長が誕生するかどうかは、堺市だけでなく大阪府下や全国に与える影響はたいへん大きいものです。大阪地方本部は堺支部と協力して、革新・民主市長の誕生にむけて特別対策をとっていきます。その他、 c)その他、この1年間におこなわれる府下衛星都市の首長選挙では、革新・民主の首長の実現をめざします。 第三章 とりくみの到達点と具体化 (一) 賃金・労働条件の改善、権 利擁護のとりくみ (1)2001年春闘と賃上げのたたかい 【とりくみの到達点】 a)2001年春闘では、すべての分会に大阪地方本部「統一要求書」を提出し、11法人から回答書がよせられました。また、分会の独自要求書を含め26分会で団体交渉がもたれています。大阪地方本部が主催した「春闘統一説明会」への経営参加は15法人であり、社会福祉同友会に参加しない法人の参加がひろがる一方で、同友会参加の法人の出席が少なくなっています。この点では、分会からも「統一説明会」出席の促しや、回答書を求めるとりくみを引きつづき強化する必要があります。 b)賃上げ状況では、ほぼすべての分会で1 号俸の定期昇給をかちとっています。これは1月の府交渉で、「定期昇給を加味して予算要求をしている」という府の交渉結果を組合員や法人関係者にいち早く宣伝してきたことが反映した結果です。 概括的になりますが、コスモス法人では職員総数147人で、平均年齢33.5歳、平均勤続年数7.18年、賃上げ額7,593円(2.4%)であり、大阪福祉事業財団の場合は職員総数531人で平均年齢39.7歳、平均勤続年数11.9年、所定内賃金月額312,298円となっています。 この2年間、大阪府職員の定期昇給ストップは府管轄の民間福祉施設にも影響して、定期昇給ストップが同じように続いてきました。この点では、定期昇給を再開するにあたりこれまでのストップの回復や整合性のために、新採職員の初任給1号俸切り下げや、2年目職員の昇給停止など、法人内での矛盾も生まれています。 また、底上げ要求として重視した非常勤・パート・期限付き雇用職員の賃金改善では、単価引き上げや一時金支給の改善等の成果を生んでいます。 c)行政交渉や業界との懇談では、大阪府をはじめ大阪市との交渉で公使館格差是正の現状維持、堺市交渉、同友会三役との懇談と「公的責任・福祉労働共同研究検討会」の開催、大阪経営者協議会三役との懇談など、賃上げと公的福祉制度拡充にむけての大阪地方本部レベルでのとりくみがすすんでいます。とりわけ大阪経営者協議会との懇談は、課題に応じて今後とも話し合っていくことが話題となり、業界の世論づくりをすすめるうえで貴重な成果といえるものです。 【とりくみの具体化】 a)大阪府公私間格差是正制度の抜本改善を要求し、当面、暫定期間の延長と暫定率100%を要求していきます。抜本改善の内容については、仮に「単価払い」に改悪しても、人件費補助金であること、大阪地方本部が社会世論化の運動にかかげる賃金水準の保障できる積算であること等を要求していきます。 大阪府にむけて、20万筆を目標に署名運動をとりくみます。目標達成のために大阪地方本部に署名推進委員会を設置し、分(班)会に推進係を配置します。また、支部でも推進委員会を設置し、未組織職場訪問活動などを計画していきます。 b)大阪市には、公私間格差是正制度の維持・改善を要求するとともに、昨年に引きつづき業界との連携をたいせつにして運動を強化していきます。 また、堺市にたいしては、大阪のように市の独自施策としての制度確立を要求していきます。とりわけ9月の堺市長選挙に公約としてかかげさせるよう、市民世論と結びつけて運動を強化していきます。 c)2001年春闘で提案した専門性にふさわしい「職務給賃金」の検討を今後とも深め、大阪府や大阪市・堺市にその財源確保を要求していきます。この要求運動は公的福祉制度拡充の一環としてとりくみ、要求の社会化にあたっては「福祉職場実態黒書」づくりと結びつけて中長期の展望をもって運動化をはかります。 d)経営には職能給(成績給)賃金導入に反対するとともに、大阪府の公私間格差是正での暫定率による人件費財源は、すべて人件費として使い職員個々人の現行水準をしたまわらないことを原則とします。 また、職場での賃金確定は団体交渉と交渉の合意を守らせ、「新会計基準」による施設整備のための積立金は労使合意のうえで実施することを求めていきます。積立金をおこなう場合は、内訳表まで公開させ、経営の将来計画について労使協議おこなっていきます。 分会が財政分析や経営の将来見通し策を検討できるように学習を強化し、分会の交渉能力を高めていきます。 e)公的福祉制度の拡充と「賃金・労働条件が福祉拡充の重要条件である」という世論を広げるために、社会福祉経営者との懇談を職場、地域で広範にとりくんでいきます。そのために大阪地方本部で統1月間ゾーンをもうけ、分会と支部で計画をつくり行動をとりくみます。また、大阪地方本部として大阪経営協議会をはじめとした業界団体やその幹部との懇談、社会福祉経営者同友会との連携を強化していきます。 f)要求運動の出発点として2002年春闘「はたらくみんなの要求アンケート」を重視し、分会のある職場のすべての職員を対象に総対話運動をとりくみます。また、支部を軸に計画をつくり地域の未組織職場にも持ちこんでいきます。 賃金要求ではパート・非常勤・期限付き雇用職員の賃金底上げを重視し、時給1,000円以上、日給7,400円を当面要求として職場での討議を深めていきます。また、地域最賃の改善や全国一律最低賃金制度の実現をめざし、春闘共闘や大阪労連に結集してとりくみを強化します。 (2)職員増員と労働時間短縮、その他労働条件改善のたたかい 【とりくみの到達点】 a)国や自治体の貧しい福祉施策と公的福祉制度破壊攻撃のもとで、福祉職場では長時間・過密労働の実態にあります。そして「持ち帰り残業」や「サービス残業」は恒常化しています。加えて今日の社会状況を反映した「処遇困難児者」の増加は、職員増員要求をいっそう切実化させています。 また、国や自治体の福祉市場化攻撃のもとで、安上がりのパート・非常勤・期限付き効用職員などの不安定雇用労働者が急増しています。 b)慢性的な職員不足による長時間労働や過密労働の下で、福祉労働者の健康破壊がひろがっています。とりわけメンタル・ヘルスにかんする健康破壊は深刻です。 この間、全労連のよびかける「サービス残業をなくせ」の運動の成果として、厚生労働省に残業規制の通達を出させています。この通達の適用については公務員や教員など、人間相手の職場も対象になることが国会でも明らかになっています。民間福祉職場では絶対的な職員不足からくる「持ち帰り残業」や「サービス残業」が恒常化しており、人間を相手にした職場の特殊性も加わって、この通達をテコにした運動を組織しきれていません。この点では、通達の理解と活用のしかたを検討し、職員増員を雇用拡大運動と結びつけて運動化をすすめる課題となっています。 【とりくみの具体化】 a)「もち帰り残業」「サービス残業」の実態を明らかにするための実態調査をおこないます。厚生労働省通達にもとづいた労使協議をおこない、国や自治体にむけて雇用拡大運動と結びつけた職員増のとりくみの共同を経営や業界に呼びかけていきます。 b)パート・非常勤・期限付き雇用職員など、不安定雇用労働者の正規職員化をめざします。また、経営にたいし、不安定雇用職員を採用する場合は「職員配置基準外の範囲」に限定するとともに、一方的な雇い止めに反対し、本人同意と労使協議を要求します。 c)民間福祉職場の「働くルール」の確立にむけて、労働実態アンケートや労働基準法をはじめ労働諸法規の学習を組織し、就業規則などの職場権利総点検運動をすすめます。この点検運動をすすめるにあたっては、種別協議会を軸にして作業委員会を設置します。 あわせて「福祉職場実態黒書」(一万人レポート運動)を組織し今日の福祉問題と福祉職場の実態をまとめ、世論づくりの武器にしていきます。 d)大阪健康安全センターの主催する「労働安全衛生講座」(有料)の受講を組織し、メンタルヘルスの理解や対応をふくめ健康対策を強化します。また、職場に労働衛生安全法にもとづいた労働安全委員の配置を経営に要求します。 (二) 国と自治体にむけての公的 福祉制度拡充のとりくみ 【とりくみの到達点】 a)治体にむけて福祉拡充の署名運動がとりくまれ、大阪支部の大阪市要求署名運動は○○○筆、市社協分会が軸となった「ヘルパー拡充の会」署名は○○○筆あつめています。 また、大阪府への公私間格差是正の拡充を求める運動では「行革府民会議」署名をつかってとりくまれ、○○○筆あつめました。この署名運動は公私間格差是正改悪が暫定措置で実施段階に入ってきている下で重要な意味をもったものでしたが、大阪地方本部全体のとりくみになりきらず低調におわっています。今後は大阪府への署名運動を大阪地方本部独自に位置づけ、いっそうのとりくみを強化していくことが重要となっています。 b)大阪社保協は、毎年府下のすべての自治体にキャラバン行動をおこない、大阪保育連も保育要求で府下に自治体へのキャラバン行動をとりくんでいます。これらのとりくみへの参加は地域ごとにとりくまれ、大阪地方本部としても支部や分会の参加を組織してきました。しかし、参加情況は支部単位にみたときバラツキがあり、大阪地方本部全体のものになりきっていません。 障害者運動では「障害者運動八者懇談会」が結成され、○月の府庁包囲のヒューマンウェーブ運動や9月議会にむけての府民統一行動がとりくまれています。とりわけ、9月府議会の府民統一行動では1500人を結集して、府的にも大きな役割をはたしています。 この間、府立施設の民間払下げ問題が急浮上し、直営施設の統廃合や民間払下げ、事業団の解体、府立民営施設の民間払下げ等がすすめられてきています。この点で、大阪地方本部と府職労健康福祉部が中心となって、「府立施設を守り拡充する会」を結成し、民間払下げ反対の運動をはじめています。 c)国への運動は中央本部の提起する第2期「福祉ウェーブ」運動をとりくみ、3月の国会行動には○○人の大阪地方本部代表団を組織してきました。また、全国種別協議会の厚生労働省交渉にも、○次にわたり○○人の代表をおくりだしてきました。しかし、第2期「福祉ウェーブ」運動の中心課題である「1万人レポート運動」は十分に組織しきれておらず、今後の課題となっています。 d)社会福祉経営者同友会と共同した「公的責任・福祉労働検討研究会」は4月からはじまり、すでに4回の公開検討会をひらいてきました。まる1日をかけた検討会で参加者を常時特定することは困難な条件ですが、職場での位置づけを明らかにして引きつづき代表者を派遣し、職場での問題意識と理論水準を高めることは重要な課題となっています。 【とりくみの具体化】 a)「公的責任・福祉労働」労使共同研究会の報告集をつかって、「公的福祉・福祉労働」のあり方についての学習を組織し、確信をもった自治体闘争を強化していきます。 b)業種別協議会を確立して種別要求を組織し、自治体にむけての運動をとりくみます。とりわけ、「支援費方式」については支部といっしょに、他団体と協力して市町村に申し入れ交渉をおこなっていきます。そのためにも、障害種別協議会を軸にして政策検討活動を強化していきます。 また、高齢者協議会は2003年度の介護保険見直しについて意見集約をおこない、社保協に結集して高齢者職場の現状を府民世論にうったえるとともに、未組織職場を視野に入れた運動を強化していきます。 保育協議会は「定員弾力化問題」、「公立保育所つぶしと直接契約方式」、「企業参入反対」等の課題をふかめ、保育種別協議会の強化をめざします。保育種別協議会の強化にあたっては、可能な支部では支部のなかに保育種別協議会を設置していきます。 c)引きつづき市社協の組合員 の雇用を確保し、市民の介護サービスの拡充にむけて「大阪市の公的ヘルパー事業の拡充を求める会」の活動を強化していきます。また、「大阪ペルパー労組」の組織化を重要課題として位置づけていきます。 d)現行の府立施設の早期建てかえや機能拡充をめざして、「府立社会福祉施設の存続・発展をすすめる会」を強化発展させ、府立施設の民間払下げやコロニー事業団の解体反対の運動を強化していきます。とりわけコロニー事業団解体の攻撃については、必要な時期に大阪地方本部に対策本部を設置し反対運動の強化をめざします。。 e)中央本部の提起する「福祉ウェーブ」運動の一環としてとりくまれる『公的福祉制度拡充・福祉労働者の社会的地位向上』(仮称)全国署名を、大阪地方本部で20万筆を目標にとりくみます。このとりくみは大阪府への大阪地方本部独自署名とあわせておこない、署名推進委員会で取り扱っていきます。また、「福祉労働者の処遇条件向上を求める自治体意見書」の採択運動のキャラバン行動を計画していきます。 「福祉職場実態黒書」(1万人レポート運動)づくりを成功させ、集会や世論づくりの宣伝行動を計画していきます。 f)全労連と中央本部のよびかける10月23・24日の霞ヶ関総行動には、100人を目標に大阪地方本部代表団を組織していきます。 また、11月23・24・25日に開催予定の「第15回社会福祉研究交流集会」「社会福祉の公共性と福祉労働者の地位に関する国際シンポジュウム」には、最低50人の大阪地方本部代表団を組織していきます。 以上の上京団派遣のためのカンパや資金づくりを、支部・分(班)会で計画し集めていきます。 g)すべての支部・分(班)会が大阪社保協・地域社保協に参加し、社会保障改善運動を発展させていきます。また、「府民要求運動連絡会」(仮称)に加盟し、大阪府にむけての運動を府的団体と共同して発展させていきます。 h)大阪労連や春闘共闘・公務共闘に結集して、公務員制度大改悪反対の運動に積極的に参加していきます。また、市町村合併などの自治体つぶしに反対し、住民本位の町づくりを地域住人といっしょになってとりくみます。公務員制度大改悪や市町村合併など地方自治破壊攻撃についての学習を組織し、運動を強化していきます。 (三) 平和・民主主義を守り、政 治革新をめざすとりくみ 【とりくみの到達点】 a)7月の参議院選挙にむけて、5・6・7月の機関紙「ともしび」で特集をくみ、職場で「生活と政治」「福祉と政治」の討議を深めることを呼びかけてきました。 また、労働組合として「組合員の政党支持・政治活動の保障」は憲法に保障された思想信条の自由を保障することであって、なにも労働組合が政治的中立を守り政党選挙にいっさい係らないということではありません。以上の立場から今回の参議院選挙では要求と政策で一致し、普段から協力共同の関係にある「日本共産党の躍進に期待する」立場を打ちだし、組合の中で旺盛に政治討議を組織することをおこなってきました。 b)沖縄の女性暴行事件、首相の靖国神社公式参拝と「新しい歴史教科書」問題など、平和と民主議の危機の今日、大阪府的に抗議集会や府民集会が持たれてきていますが、大阪地方本部のとりくみは多いときで約50人ほどの参加にとどまっています。多くが緊急の集会であり、十分に点検が行き届かないという指導上の弱点もありますが、最大の問題点は仕事の忙しさ等で日常的な分会活動の遅れの反映でもあります。 平和の問題では財団関目ブロックや堺支部、北田辺保育園分会などで「平和を語る会」や「平和コンサート」等がとりくまれ、原水禁世界大会にも地域をつうじて約10人ほどの代表を送り出しています。また、5月1日のメーデーには地域メーデーを含め、約500人の組合員が参加しています。 平和と民主主義は社会福祉の土台であり、今日の情勢の下では平和と民主主義を守る広範なとりくみがいっそう重要さを増しています。 【とりくみの具体化】 a)憲法を守り、平和がおびやかされている今日、職場での平和と民主主義をおおいに討議し、機関紙「ともしび」でもキャンペーンをはっていきます。そして、緊急にとりくまれる府民集会や抗議集会に、おおくの組合員が参加できるよう日常的な関心を深めていきます。 b)予定されている「10・21府民大集会」には、平和を願う府民のつどいとして保護者や利用者にも呼びかけ、組合員も家族ぐるみで参加し500人規模での参加者の組織化をめざします。また、「平和を語るつどい」や「平和コンサート」とりくむ分会や支部を増やし、2002年度の原水禁世界大会や平和大会に積極的に参加者を組織していきます。 c)九月の堺市長選挙では革新・民主の堺市政誕生をめざし、堺支部を軸に大阪地方本部でも対策本部を設置していきます。また、衆議院の解散・総選挙を要求し、国民生活をまもり福祉拡充の絶好の機会として、職場で旺盛な政治討議をまきおこしていきます。 また、業界の「ぐるみ選挙」に反対していきます。 第四章 大阪地方本部の拡大強化のとりくみ 【とりくみの到達点】 a)2001年度は大阪済生会の北村園が分会結成をおこなったのをはじめ、「いのこの里」「みどり保育園」「おひさま岡町保育園」「あいほうぷ吹田」「畷たんぽぽ保育園」「こすもすの里」など、分会のある法人の新設職場を確実に組織化してきました。 9月1日現在、大阪地方本部の組織現勢は、組合員( )人、( )分会、職場数で( )ヶ所と、労働運動全体が減少傾向の中で増加をつづける数少ない組合の一つとなっています。 b)パート・非常勤・期限付き雇用など不安定雇用職員の組合への組織化や「大阪ヘルパー・ケアマネ労組」(略称・「大阪ヘルパー労組」)の立ち上げなど、2001春闘では不安定雇用労働者の組織化を重点にとりくみをすすめました。 すでに分会がある職場で意識的な追求がはじまり成果も出始めていますが、まだ大阪地方本部全体のものになり切っていません。今後、支部を単位にした「大阪ヘルパー労組」のいっそうの組織化や「パート・非常勤」部会を発足させ、引きつづきの追求をおこなっていく必要があります。 【とりくみの具体化】 (1)組合員3000人の大阪地方本部づくりを視野にいれた、組織拡大強化の運動をとりくみます a)当面、分会のある職場の職員総数約5000人のうち、過半数の2500人以上の組織化をめざします。そのためにも、支部と分(班)会で組織拡大の対策委員会を設置し、持続的・計画的に組織化をおこなっていきます。また、2001年春闘でかかげた組織内の不安定雇用職員の組織化をいそぎます。 b)不安定雇用職員の組織化にさいしては、「一方的な雇い止め反対」「社会保険への加入」「時給・日給・一時金の引き上げ」「有給休暇の保障」など不安定雇用職員の要求をとりあげ、要求実現を全面にした組織化運動をすすめます。 また、不安定雇用職員の組合費を「月収の1%プラス350円」とし、さらに一般組合員と同じように事情によって現行規約にもとづく減額申請制度をみとめていきます。 また、支部と市社協分会を軸にして「大阪ヘルパー労組」組織化の特別対策をもっていきます。 c)社協をはじめ業界の主催する研修や学習会を活用して、組合加入リーフレットや「ともしび」の配布を、組合員の協力のもとに計画的・持続的にとりくんでいきます。また、分会や支部で未組織職場訪問を計画し、未組織職場にはたらく職員への組合加入を働きかけていきます。 機関紙「ともしび」は有料ですが、必要におうじて見本紙として活用し、組織拡大の重要な武器としていきます。そして、組合加入者以外の有料読者を大量に組織化していきます。 B 福祉保育労大阪地方本部を 知らせ、組織拡大の有力な手段の一つとして、「大阪地方本部ホームページ」を早期に開設します。また、ポスターの張り出しや加入リーフレット配布など、拡大月間をもうけて組織拡大を組合員全体の重要課題として位置づけ、分会の「企業内組合」化におちいらないよう大阪地方本部を強化していきます。 (2) 中間指導部としての支部体制を確立し、業種ごとの交流や政策づくりの種別協議会を両輪にした大阪地方本部の体制を強化していきます。また、組合員の多数をしめる青年を対象に青年部を確立していきます。 a)すべての支部で月1回以上の分会代表者会議を定例化し、それを実現させるためにも大阪地方本部として月1回の支部代表者会議を定例化します。 今回、規約改正で本部委員会は年間2回以上の開催、本部委員は本部委員会のつど登録をすることになりました。この点では、大阪地方本部として従来のような分会長会議の必要が生じた場合は、本部委員会として開催します。分会が本部委員を登録する場合は、つとめて分会三役を中心に登録をおこなっていきます。 b)これまで支部準備会であった「阪南支部準備会」を支部として位置づけていきます。準備会として残るのは「東部支部準備会」だけとなりますが、「東部支部準備会」の組織拡大をいそぎ支部の確立をめざします。 また、支部活動の拠点としての支部事務所建設についても検討をふかめ、いまの時点でいちばん条件のある大阪支部の事務所建設を大阪地方本部全体の課題としていきます。 c)これまで懸案となっていた青年部確立を、今年度の重点課題としていきます。青年部の結集は原則として30歳未満の組合員を対象とし、スポーツ・文化活動をはじめ職場ではたらく青年労働者のあらゆる要求を結集したとりくみをすすめます。 また、大阪地方本部青年部に対応して支部・分(班)会でも青年部設置や役員を配置し、大阪地方本部の将来をになう活動家づくりを意識的に追求していきます。 d)種別活動は業種別や職種別に、それそれの仕事の悩みやあり方の交流と要求政策をまとめていくこと中心に活動を強化していきます。可能な支部では支部の中にも種別部会をつくり、大阪地方本部の種別部活動に結集していきます。今年度は障害種別の中に正気後作業所部会、雇用形態で分類したパート・非常勤部会などの設置を検討していきます。 e)情勢が激変する今日、確信をもって活動に参加するためには、学習活動を欠かすことはできません。 発行がよていされている「公的責任・福祉労働」労使共同検討研究会のまとめを教科書にして、福祉をとりまく情勢とこれからの社会福祉のあり方について、系統的な学習会を職場に組織していきます。また、勤労協の労働学校や総合福祉研究所の社会福祉基礎講座など、社会科学を身につけた福祉労働者になれるよう、これらの組織化を意識的に追及します。 また、大阪労働安全センターの主催する「労働安全講座」の受講者を組織し、職場の健康対策や急速に増えているメンタル・ヘルス対策に理解と対策のもてる分(班)会活動をめざします。 (3)社会福祉研究集会、福祉保育労共済のとりくみ a)今日の情勢の下で、社会福祉の公的責任や福祉労働のあり方について検討を深め、確信をもった仕事と運動への参加はおおくの組合員や福祉労働者の関心事となっています。これらの関心事や課題をみんなで深めあうために、第18回大阪社会福祉研究集会を2002年6月をメド開催するための実行委員会を大会直後から設置していきます。そして、広範な実組織の福祉労働者にも参加を呼びかけ、大きく成功させていきます・ b)福祉保育労共済の拡大にむけて、すべての分(班)会が組織共済に加入し、その上にたって医療・生命、火災、年金、自動車など個人共済の加入を積極的にとりくんでいきます。そのために、分会と地本に「福祉保育労共済」担当者を配置し、大阪地方本部全体で共済活動を強化していきます。 |