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第1号議案 2008年度運動方針(案)






福祉保育労大阪地方本部 第52回定期大会
日時 2008年9月14日 10:00〜16:30
場所 エルおおさか南館

第1号議案 2008年度運動方針(案)

スローガン
○ 憲法を職場と暮らしにいかし、貧困と格差の是正・平和の実現を
○ 国・自治体の責任で実効ある福祉人材確保対策を実現しましょう
○ 非正規労働者を組合に迎え、福祉職場の労働条件を改善しましょう

はじめに

 国民が安心して医療にかかれない体制になった医師・看護師不足、差別医療と負担増をねらう後期高齢者医療制度の導入、介護報酬のたびかさなる改悪、障害者自立支援法導入による財源の縮減など、こうした改悪は「貧困と格差」を加速させ、社会保険料の値上げなどの負担増が国民・労働者の生活をさらに苦しめています。福祉職場では年収200万円程度の非正規労働者が急増し、正規労働者の労働条件は音を立てて崩れ続けています。これらすべては、政府が2002年から続けている社会保障費の自然増の抑制による歳出削減をおこなった結果です。

 一方、政府はガソリン税の道路特定財源をつかい、ムダな大型道路、採算がとれない高速道路などをつくり続けています。国際貢献を理由にしたインド洋でのアメリカ戦艦等の給油活動に多額の税金をつぎ込み、国民の定率減税を廃止しても大もうけしている大企業の減税は続け、企業の要請にこたえて労働者を使い捨てにできる派遣、請負労働の範囲を拡大してきたのがいまの自・公政権です。こんな政治を長く続けさせることはできません。

 これまで自民党を支えてきたのが、地方の郵便局長の団体、農民関係者、中小企業家団体、医療関係者でした。小泉「構造改革」により、自民党の政策は大きく変わりました。アメリカ保険業界の要請でおこなわれた郵政民営化からはじまり、アメリカの穀物を輸入するための農産物の自由化、中小企業家に対するきりすて政策、削減されつづける医療費など、「構造改革」が、自民党自らの支持基盤をほりくずし、国民からの支持を大きく失っています。7月の世論調査での自民党支持率は18%まで下がり、自民党の衰退は決定的です。

 国民・労働者には負担だけをおしつけ、大企業、アメリカ政府に対しては至れり尽くせりの政治をおわらせるときがきています。きたるべき総選挙で自・公政治に審判をくだしていきましょう。

 7000を越え全国に広がる「九条の会」や在日米軍基地強化反対の住民運動の前進、イラク自衛隊の活動を違憲とする名古屋高裁判決など、憲法改悪反対の世論に大きな影響を与える一方で、ビラ配布弾圧事件での相次ぐ有罪判決、映画「靖国」への政治家の介入など、市民的自由を侵害する動きが強まっています。

 社会保障・社会福祉を守ることや平和や表現の自由を守る問題、違法な偽装請負や派遣労働をなくし「働くルールを確立」する課題にしても、共通するキーワードは「憲法を職場やくらしにいかす」ことにあります。憲法の条項を職場やくらしの中で実現させていく運動を、国民、労働者とともにつくりあげていきましょう。


第1章
運動の基調

(1) 労働条件の改善をめざし、組合を大きく、強くしていきます。

 分会・班の積極的働きかけで春闘時期に188人の組合加入がありました。どの種別、職種でも不安定雇用労働者は増加しており、正規労働者の組織化だけでは、職員の半数が組織できない状況です。非正規労働者の組織化は組合にとって避けて通れないところまできています。

組織の強化という点では、ワーキングプアを生み出す非正規労働者の安易な配置に反対し、正規職員化をめざす職場のとりくみと、サービス残業の規制、休憩時間の確保など、労働基準法を守る施設運営をもとめていきます。また、大阪地方本部は、支部に非正規専従の配置をめざすとともに、「非正規部会」(仮称)の確立をめざします。

08年度は組織拡大・強化を運動の柱にすえ、全組合員の力を結集してとりくみます。中期組織拡大強化計画にもとづき3000人の組織をめざし、当面は2500人の組織づくりをめざします。

(2)社会保障改悪に反対し、福祉人材確保対策を政府・自治体に求めていきます。社会保障充実に名を借りた消費税増税に反対していきます。

 「このまま介護職員が将来に希望を持てず現場から離れる状況が続けば、介護の担い手がなくなり、制度自体が崩壊する。介護職員に普通の生活を保障できるだけの給与体系を作るためには、もう介護報酬の底上げしかない」と166万筆分の署名を提出した全国老人保健施設協会の会長の発言は、私たちの思いと同じです。障害職場、保育職場での人材確保対策も重要な課題として位置づけ、「介護従事者等の人材確保のための介護従事者等の処遇改善に関する法律」の具体化をめざしていきます。

 年金財源や介護報酬の見直し、医師・看護師不足解消、後期高齢者医療制度の見直しなどを理由として、消費税増税を求める提言が政府審議会等から相次いでいます。低所得者に重い負担をおしつける消費税増税が国民・労働者の貧困化に拍車をかけることは明らかです。消費税増税に断固反対していきます。

福祉の財源確保は、消費税増税に求めるのではなく、ムダな大型開発事業や高速道路の見直しや軍事費の削減、企業法人税の見直しなどにもとめていきます。

(3)格差是正、働くルールの確立、雇用を守るたたかいをすすめていきます。

 全労連・大阪労連に結集し、「なくせ貧困」運動の中心課題の一つに最低賃金引き上げを位置づけ運動を強化していきます。あわせて、生活保護制度の改善、最低保障年金制度の創設運動を発展させていきます。また、まともな雇用確立を求め、労働者派遣法の抜本改正のたたかいを強めていきます。

 非正規労働者の正規雇用への切り替えを求めていくとともに、職員増によるサービス残業解消、健康で人間らしく働くことのできる職場をめざしていきます。

(4)府民いじめの「橋下改革」に断固反対し、自治体闘争を強めていきます。

 「財政が厳しい間は少し辛抱しなければならないが、財政が好転すれば、また知事は府民むけの福祉や教育、医療などを充実してくれるだろう」と考えている府民もいると思いますが、橋下知事はそのようなことを考えていません。

橋下知事は、「大阪維新プログラム案」の中で、府民むけの福祉や教育、医療などの施策は市町村がおこなう事業として位置づけ、大阪府の責任を否定しています。また、大阪府の財政破綻の原因であるムダな大型開発事業、同和行政はつづけています。さらに、政府や財界が要望している「関西州の形成」をめざし、大阪府を解体しようとしているのですから、府民のいのちと暮らしを守ろうとする意思もありません。大阪府に対しては、政府の悪政から府民を守り、住民の福祉向上につとめるという地方自治法にもとづく本来の役割を求めるために、府民とともに運動をつくりあげていきます。

「大阪維新プログラム案」の影響は大阪市で、2009年度は91億円の削減額となり、府下の自治体にも大きな影響を与えています。市民にかかわる予算の削減を許さないためにも、市町村への要求運動は、いつにもまして大切なとりくみとなっています。

(5)政治の転換をめざす総選挙のとりくみ、憲法改悪の策動をはねかえし、憲法を守り生かすたたかいをすすめていきます。

衆議院議員の任期もあり、1年余りの内に、自公政治からの転換をめざす総選挙をたたかうことになります。参議院選挙、沖縄県議会選挙での自民党の敗北など、国民世論が政治を動かす状況が目に見えてはっきりしてきています。国民・労働者の切実な要求である「道路財源、軍事費を削ってくらしにまわせ」「大企業は税や社会保障負担などで責任を果たせ」「雇用安定と最低生活保障をおこなえ」などを国民全体の世論にしていくことが重要です。

アメリカや大企業いいなりの政治から、「国民本位の政治」への転換・実現をめざし、早期の総選挙実施を求める立場を明確にしています。

 総選挙では組合員の思想、信条の自由を守りながら、政治に対する労働者の要求を確立し、政治論議をおこなっていきます。

 自衛隊海外派兵恒久法制定阻止を当面の課題として、「憲法9条を守り、いかす運動」を地域労連・大阪労連に結集し、すすめていきます。


第2章
私たちをとりまく情勢

第1節
「暮らし優先の政治」を求める国民

(1)大もうけする大企業と負担増にあえぐ国民

大企業は昨年度、バブル期の1.7倍にあたる33兆円の利益をあげています。しかし、大企業が利益をあげても家計に及ぶということはなく、その上に政府は国民・労働者から収奪を続けています。

小泉内閣からの増税は、総額5兆円以上です。その一方で、大企業や大資産家むけの減税は続けられています。法人税減税を90年度水準にもどすだけで4兆円もの財源が生まれます。

消費税の問題は、福田首相が社会保障の安定的な財源確保のために、消費税を含む税体系の早期確立をめざし、経済財政諮問会議も社会保障を我慢するか、消費税増税かと国民に迫っています。政府の関係機関は「生活者を重視する」といっていますが、国民にすべて負担をおしつけるやり方では、私たちの暮らしや福祉職場の状況はよくなりません。

各種の世論調査でも、社会保障のためでも増税反対という国民が6割と過半数を占めています。

いま、「増税は仕方がない」ではなく、低賃金、不安定雇用、物価の高騰など、暮らしの悪化がすすみ、「暮らし優先の政治」を国民が怒りをもって求める新たな段階にきています。「消費税増税反対、ヨーロッパ並みの社会保険料と法人税を納めよ」と大企業にせまり、税金を社会保障や社会福祉の充実につかおうという運動を、地域や職場でひろげるチャンスです。

(2)物価高騰による暮らしや福祉施設への影響

投機ファンドの栄器用による原油や穀物の価格高等によって、物価上昇がとまらず、私たちの暮らしは大きな打撃を受けています。 

 この間の自・公与党政権による貿易の自由化は、海外からの輸入を増やし続け、食料問題を深刻化させています。いまや日本の食料自給率は39%、穀物の自給率は27%と、先進国のなかで最低にまで落ち込み、私たちの暮らしや地域社会を脅かしています。輸入食品に頼ることは、遺伝子組み換えやBSE、残留農薬など、人体への影響を考えると安全面でも重大な問題をかかえています。 

社会福祉施設では、安全で美味しい食事を提供する役割を果たし、地元の農産物を利用して、食育にも役立てる実践をしています。しかし、これまでの制度改悪や補助金カットで、福祉施設は財政的に苦しくなり、輸入穀物などの高騰もあって、さらなる給食費のきりつめや海外からの輸入食材の利用を余儀なくされています。

あわせて原油高により施設送迎費や職員の通勤費など、福祉職場を圧迫しています。障害者作業所などでは、送迎のほか、弁当の配達やアルミ缶回収事業など車の利用も多く、月のガソリン代は数十万円となるなど、1年前の8割増となっています。送迎は、利用者にとっては欠かせないもので、止めることはできません。国や自治体による独自補助を求めていくことも必要となっています。


第2節
福祉職場の動向と私たちの労働実態

(1)福祉職場における労働実態

社会福祉基礎構造改革、福祉の市場化、規制緩和がすすめられ、福祉職場の労働環境がいっそう厳しくなっています。

昨年の人材確保アンケート結果をみると、月収については、正規職員の4割が20万円以下、常勤パートの6割が15万円以下という、福祉職場にワーキングプアがひろがっている実態が明らかになっています。

業務量や労働時間が増加するなど、過密・過重労働の実態もひろがっています。長時間労働、サービス残業が常態化し、宿直や夜勤などを月7〜8回はおこない、1人夜勤で仮眠・休憩をとれずに夜勤明けも働くという労働基準法を守れない事態となっています。

こうした過密・過重労働がひろがる中、個別対応など個人の力が求められ、精神的なストレスが増大しています。職員の入れ替りや人手不足により、経験の蓄積・継承や専門性の向上が困難となり、職場内に起こっている課題を、職員間で充分に共有できないという事態も生まれています。コミュニケーションを大切にする本来あるべき福祉労働がゆがめられ、職員同士が分断されています。そこに成果主義が入り込み、競争と分断が福祉職場で急速にひろがっています。

こういった状況のもと、心の病を発症し、腰痛や頸頚腕で身体をこわす人が増えています。長く健康で働きつづけることができず、次代を担う職員が退職するという状況が続いています。

これらの問題の原因はどこから来ているのか分会・班で論議し職場全体のものにし、労働組合が主体的にこの問題を取り上げていくことがいま求められています。

全国で福祉保育労が今年1月から2月に健康アンケ−トを実施しました。休職や業務軽減した人の23.4%がメンタルヘルス疾患、8.2%が腰痛、6.5%が切迫流産、4.3%が頸肩腕痛という結果がでています。福祉職場は小規模のところが多く、労働安全衛生委員会の設置義務のある50人以上の職場は14%しかないのが実態です。小規模職場でも、労使の健康対策委員会を設置して、健康対策のとりくみもされていますが、不充分な点もあります。今後、健康対策の組織を整備して、小規模職場での労働安全衛生活動を広げていくことが課題となっています。

(2)財界がねらう最低基準の見直しをめぐる動向

いま、福祉職場に大きく影響する最低基準の実質廃止の議論が政府関係機関でおこなわれています。

地方分権改革推進委員会は、保育所や老人福祉施設、児童福祉施設、児童館、認可外保育施設、助産施設、母子生活支援施設など、福祉施設最低基準の実質廃止に言及しています。そして政令市や市への権限委譲、地域ごとの条例制定の方向を出しています。保育分野では、入所要件の見直し、直接契約方式の採用などが第一次勧告の内容となっています。

最低基準は、国が利用者の権利を保障する福祉施設に対し、全国の福祉施設で一定の福祉水準を確保するよう定めたものです。最低基準はあくまでも最低の水準であり今の職員配置基準などでは不十分です。各都道府県では実情にあわせて、最低基準を上回る独自補助がされています。今すべきことは、最低基準の廃止ではなく、最低基準の底上げによる福祉拡充です。

第一勧告は、子どもの発達保障や利用者の権利保障などという視点から提起されてはいません。儲けをねらう財界の要望に応え、コスト面重視の営利企業による施設開業や運営をたやすくするためのものであり、国民の権利を守るという国の責任をすべて地方自治体に放り投げるという極めて無責任で乱暴なやり方です。

(3)高齢・介護職場をめぐる動向

高齢職場では、06年介護保険見直しで「予防」重視の制度へと転換され、軽度者へのサービス切り捨てや介護報酬が大幅に引き下げられました。そのため、賃金をはじめとする労働条件等が悪化し、求人広告を出しても人が集まらず、閉鎖においこまれる介護事業所もでています。なかでも直行直帰である登録ヘルパーの雇用問題は深刻で、在宅で介護を必要としている高齢者にヘルパーが派遣できないという「保険あって介護なし」の実態がすすんでいます。

財務省からは、軽度者の保険対象外や生活援助の廃止など介護給付を抑制する提案があるなど、いっそう規制強化がすすみ、サービス制限がおこなわれる恐れもでてきています。

(4)障害者自立支援法をめぐる動向

政府は安定的財源を確保するため、障害者支援策を介護保険との統合をめざし、障害者自立支援法(06年施行)で介護保険と同様の1割自己負担や日払い報酬を導入し、契約制度を障害児施設にも適用させました。これにより施設財政が報酬単価引き下げとあわせて、急激に悪化し、人件費引き下げも余儀なくされています。そのもとで、実務量が増大するなど様々な面で労働強化となり、休日出勤やサービス残業が増えています。

しかし、障害者団体をはじめとする福祉関係者の世論と運動が、1,200億円を投入し負担を軽減する「特別対策」を政府にとらせ、09年度も継続の方向です。さらに、障害児のいる世帯の軽減策としてサービス費や医療費の自己負担合計額に上限を設けるほか、福祉事業者への支援策として、法施行前の収入の9割を保障するため、09年4月に報酬改定を実施することも対策の中に盛り込こませています。

介護保険との統合では、多くの障害者団体から反対や危惧の声が上がり、議論自体の凍結を求めています。また、与党プロジェクトにおいても「介護保険制度との統合を前提とせず、障害者施策の在るべき施策を考察」というとりまとめをおこなっています。しかし、介護保険の拡大や、普遍化をすすめる動きもあり、予断を許しません。

今後、利用者の生きる権利を奪っている応益負担の撤回と報酬単価の引上げ、障害者自立支援法の廃止も視野に入れた抜本的な見直しの運動をすすめていくことが必要です。

(5)保育・児童養護職場の動向

 乳児院、児童養護施設では、入所してくる7割が虐待を受けて保護される児童で、発達障害や精神疾患をもつ児童も以前に比べ増えてきています。政府、関係機関は検討会を開催し、社会的養護体制強化の必要性をいっていますが、抜本的な対策は打ち出せていません。厚生労働省でも、まだ充分な現場実態調査ができていないとの回答です。しかし、そういった中でも子どもたちは育っています。待ったなしの状況です。

保育職場では、延長保育や休日・夜間保育による長時間化に加え、障害児やアレルギー児への対応、地域での育児支援、規制緩和による定員増など、役割が増大しています。しかし、財源が減らされたなか、非正規職員が増えるなど、充分な人員配置が保障されず、何とか保育が回っているという現状です。

政府や関係機関はそういったことには目をむけず、規制改革会議の准保育士の創設提案、地方分権改革推進委員会での最低基準見直しなど、企業参入・営利化、保育の安上がりの方向をうちだしているだけです。

いますべきことは、社会における働くルールの確立と保育制度の拡充を国の責任でおこなうことです。昨年に続き今年も、国会において「保育制度の堅持・拡充、予算の大幅増額を求める」請願署名が全会一致で採択されています。これを力に、多くの働く労働者と連帯し、運動していくことが求められています。


第3節
国民的課題まで押し上げた人材確保運動の到達と課題

人材確保運動の先頭にたった福祉保育労

昨年8月、厚生労働省は『福祉人材確保指針』を告示し、「適切な給与保障、報酬設定、人材育成の構築など、取り組みを促進」と明示しました。昨年12月には、日本共産党が「深刻な人材不足を打開するための緊急提言」を発表し、民主党が「介護労働者の人材確保緊急措置法案」を通常国会に上程しました。そして、今年5月「介護従事者等の人材確保のための介護従事者等の処遇改善に関する法案」が全会一致で可決、成立しました。    

人材確保指針から介護従事者等処遇改善法へとつながったのは、人材確保アンケート実施をはじめ、各政党への要請行動、諸団体との懇談、署名や意見書採択運動など、各地域や職場でとりくんだ福祉保育労の運動によるものです。そしてこの間、高齢社会をよくする女性の会や全国老人保健施設協会など、他団体の運動も起こり、「介護労働者の生活を守れ」という賃上げの要求が多くの福祉・介護労働者や国民の声へとひろがりました。

しかし、介護従事者等処遇改善法は、充分な中身ではありません。しかし、私たちの人材確保をめぐる運動が政治を動かし、法制化させたことに確信をもち、早急に具体策を政府・厚生労働省にとらせる必要があります。09年度予算において、措置費、保育運営費、介護保険や障害者自立支援法における報酬単価引き上げなど、福祉財源拡充の要求と共同行動にとりくみ、介護従事者等処遇改善法に書かれた「必要な措置」を具体化させていきましょう。


第4節
国民の貧困の拡大と社会保障の現状

(1)非正規労働者をめぐるたたかいの現状と課題

1986年の労働者派遣法実施後、度重なる労働法制の改悪、規制緩和がくりかえされてきた結果、派遣労働者は321万人へと急増しています。年収200万円以下の労働者も1,700万人を超え、3人に1人が非正規雇用といった雇用破壊がすすんでいます。

違法派遣の是正を求める労働者の勇気ある告発と労働組合のたたかいが行政を動かし、違法派遣をおこなう工場への立ち入り調査を実現させ、キヤノンやいすゞなどの大企業に派遣労働解消の方針を発表させるという大きな変化をつくりだしました。対応を迫られた福田首相は、正規雇用の割合を増やす具体策を早急にとりまとめることを明言しました。

今日の貧困の根底にあるこうした雇用の破壊と非正規雇用の拡大を根本的に見直すことが、日本社会の重要課題であることが大きく取り上げられ、今、若者を中心に「蟹工船ブーム」が巻き起こり、貧困なくせの声がひろがっています。国会で労働者派遣法を改正させ、労働者保護法とする運動を大きく成功させ、貧困と格差、ワーキングプアを社会からなくすことが必要です。

福祉職場でも半数以上がパートやアルバイト、派遣といった非正規雇用でしめるところがでています。大阪の福祉事業所アンケートでは、約42%が非正規職員であり、離職率も高く1年未満で非正規職員24.4%、正規職員16.2%が退職しています。ある分会の非常勤保育士は、ダブルワークで保育園とスポーツ施設をかけもちしても、手取り200万円という状況にあるなど、やりがいをもって働いても、不安定な雇用で将来に不安を抱えながら働かざるを得ない実態の労働者が多くいます。これは、決して自然現象ではありません。国がすすめる社会基礎構造改革による福祉予算の削減、常勤換算など規制緩和がすすむなか、正規職員を雇えず非正規職員に置き換えるという状況がすすんだ結果です。

(2)後期高齢者医療制度をめぐるたたかいの現状と課題

 4月から実施された後期高齢者医療制度は、高齢者医療の別建て、保険料の年金天引き、保険で受けられる医療内容の制限など差別医療の問題が噴出し、国民の怒りが爆発しました。野党4党が参議院に提出した「後期高齢者医療制度廃止法案」が野党の賛成多数で可決されました。自民・公明与党は、衆議院で否決させる意向でしたが、国民の怒りは収まらず、継続審議となっています。

 高齢者に充分な医療を保障するのは国の責任であり、医療で差別することは許されません。「後期高齢者医療制度廃止法案」は、衆議院でも速やかに審議し、可決することが求められます。

(3)生活保護行政をめぐって

貧困と格差が広がり、生活保護受給世帯が1995年に60万世帯だったのが、2005年には104万世帯にまで増加しています。しかし政府は「小さな政府」をめざして、社会保障費を削減してきました。そのため、生活保護を受けるべき国民が申請書をもらえない、申請書を受け付けてもらえず保護を受けられない事態が各自治体で生まれ、北九州市では生活保護の申請を断られ男性が餓死に追い込まれる事件が起こりました。

 いま、全国各地で老齢加算廃止や母子加算廃止に対し、『人間に値する生活』とは何かをめぐり、「生存権裁判」が京都から始まり秋田、新潟、広島、北九州、東京、青森、神戸でたたかわれています。老齢加算や母子加算は生活保護を利用している高齢者、母子家庭の最低生活を支え、人として尊厳ある生活を営むため、必要不可欠なものです。

このままでいくと、高齢者や母子家庭の生活が脅かされるだけではなく、生活保護基準と密接に関連を持つ最低賃金、年金支給水準などに影響します。生活保護費削減に対する運動は、様々な国民生活の切り下げにつながるきわめて重要な私たちの課題となっています。

第5節
平和と民主主義をめぐって

(1)社会保障削減のうらに隠された軍事費の増大

軍事費は毎年、5兆円規模にふくれあがり、私たちの暮らしや社会保障制度が犠牲になっています。

道路財源問題では、道路計画自体には改革のメスが入りきりませんでしたが、国民の世論と運動が一般財源化まで押し込んだのです。

軍事費については、毎年、社会保障費を2,200億円削減し、米軍には2,083億円の「思いやり予算」を出しています。沖縄駐留のアメリカ軍に対して、豪華な住宅、基地従業員手当などいたれりつくせりです。そして、米軍再編、グアム移転費の3兆円負担です。自国の税金を他国の軍隊につかうなど、世界を見渡しても、そんな国は他にありません。

また、防衛産業から賄賂をもらい逮捕される事件が起こりました。逮捕された守屋武昌前防衛省事務次官は、山田洋行という軍需専門商社から賄賂やゴルフ接待などを受け、軍需産業に私たちの税金をつかっていました。このような政治家、軍需産業、防衛省による利権構造は解体し、国民の税金は暮らしに役立てることが本当の改革です。

(2)平和と憲法をめぐって

08年に入り、日本の安全保障問題、日本の「防衛」問題をめぐり、様々な重大な問題が噴出してきています。神奈川県に原子力空母の配備が計画さています。大阪でも、今年に入り大阪南港で武器などの展示や米イージス駆逐艦の入港、天保山での護衛艦3隻の同時入港など、大阪港の軍事使用が拡大されて平和な暮らしが脅かされています。

4月27日、自衛隊のイラク派兵は違憲だとして差し止めを求めた「自衛隊イラク派兵差止訴訟」の控訴審判決が名古屋高裁であり、米兵などを輸送する「航空自衛隊の空輸活動は憲法違反」「平和的生存権は、憲法上の法的権利」と認める画期的な判決が出され、全国の平和運動を励ましました。

読売新聞によれば、2004年の6月に『九条の会』が結成され、全国で草の根の会ができていくのと並行して「9条守れ」、憲法改定反対の声が賛成を上回り、年々拡大しているとの報道がされています。

この改憲反対の世論のひろがりは、これまでの草の根の運動により、改憲の中身がたんに自衛隊を合憲にするということにとどまらず、海外で戦争する国づくりをすすめるという危険な中身であることが国民に伝わり、理解されはじめたからです。

福祉保育労の各分会・班でも、職場九条の会がつくられ、平和の夕べや原水禁世界大会の報告会など、様々なとりくみがされてきています。

今後も、海外派兵・武力行使恒久法についての学習と、イラク派兵撤退を求める継続した運動を地域や職場でおこなうことが重要です。

第6節
大阪府をめぐる動き

橋下改革を見直させた共同の力

今年、1月に知事選挙がおこなわれ橋下知事が当選しました。財政再建プログラム試案は、理念のない1,100億円削減ありきのものでした。

そういったもとで、労働組合をはじめ様々な団体が立ち上がりました。障害者団体が3,000人規模で集会をおこない、医療費助成の削減やグループホーム運営助成の廃止反対など訴え府庁を包囲しました。PTA連合会が35人学級廃止の反対署名にとりくむなど運動がひろがり、各団体から300万をこえる請願署名がだされる大きな運動となりました。

府視協分会や大聴協・市身協合同分会では、「視覚障害者、ろうあ者、労働者の権利を守れ」と声をあげ、経営と共同し幅広い運動をおこないました。府視協分会では、利用者、家族、労働者、経営者300人があつまり、府庁前での集会、抗議行動にとりくみ、人件費削減額をPT案5,000万円から維新案1,000万円まで縮小させました。これは労働組合と利用者、経営者が力をあわせた運動の成果です。これらのとりくみを教訓に、来年度予算にむけたとりくみを大阪地本に結集しひろげていきましょう。

これらの運動によって橋下改革が、@財界いいなりの大型開発や同和行政を継続する今までの府政と変わらないこと、A府民への痛みを強化し、そのスピードを加速させた中身でしかないこと、B政府・財界がよろこぶが道州制(関西州)導入を目的にしていることが明らかになりました。

私たち福祉職場に関係するものは、社会福祉経営安定化推進事業費、小規模通所授産施設機能強化支援事業、児童福祉等機能強化推進費、子育て支援保育士事業などです。削減のほとんどが人件費や運営費に関するものです。人材難にあえぐ福祉職場に対して府の責任を果たさせる必要があります。

08年度本格予算は、7月の臨時議会で自民、民主、公明などは賛成、共産党は反対で、可決成立しました。私立幼稚園への助成削減の縮小、一般職の基本給削減率0.5%縮減するなど、わずかな修正しかおこないませんでした。大阪維新プログラム案は、今年度から3年間かけて実施するもので、来年度以降も廃止や削減される府民の暮らしに関わる施策が数多くあります。

今後は、橋下改革による市町村財政への影響で市町村レベルでの便乗削減という動きもでてきます。すでに大阪市などでは、中期的な収支見通しを発表し、09年度予算にむけて新たな削減計画を今秋にも策定するとしています。

今後も来年度予算にむけて、大阪維新プログラム案の中止を求め、福祉予算拡充の声を大阪府や各市町村にむけて、たたかいの輪をひろげていくことが重要です。


第3章
要求と運動の展開

第1節
国民の切実な福祉要求を実現し、実効ある福祉人材確保対策を政府に求めていくとともに、消費税増税に断固反対していきます。

 近年、物価上昇が顕著になり、生活が急速に悪化しています。生活実態と生活要求に基づく徹底した要求討議をとおして、賃上げ要求、職員増要求、職場要求闘争と09年度政府予算への要求運動とを結びつけて、運動を強化していきます。

(とりくみの具体化)

@ 大幅賃上げと職員増など、人間らしく健康で働き続けことのできる職場をめざし、職場討議を重視していきます。経営に対して要求書を提出し、団体交渉をおこなっていきます。それらの要求を柱に、福祉人材確保対策を政府・自治体にせまっていきます。
A 非正規・不安定雇用での就労を余儀なくされている福祉労働者の要求として、当面時給1,100円の実現、昇給、諸手当、一時金、有給休暇、社会保険などあらゆる点で正規職員と均等の待遇を求めていきます。
B 高齢・障害福祉での常勤換算方式や、非常勤保育士活用の弾力化の見直しを政府に求めていきます。また、福祉職場への「人事考課・成果主義賃金」導入に断固反対していきます。
C 大阪府内の福祉関係者とともに、政府・自治体への人材確保対策を中心課題とする共同集会を年内におこなっていきます。
D 大阪府内の市町村議会から「福祉人材確保対策を求める」国への意見書採択運動をひきつづきとりくみます。福祉業界・関係者との懇談をおこなっていきます。
E 実施されている後期高齢者医療制度の廃止をもとめ、国民が安心して医療を受けられるよう、医師・看護師不足解消の運動をとりくみます。また、大阪社会保障推進協議会とともに社会保障拡充のための運動にとりくみます。
F 社会保障費財源確保を理由とした消費税増税に反対していきます。道路特定財源などのムダな大型開発事業や軍事費の見直し、大企業・大資産家への適正な税負担を求め、社会保障費の増額の世論を広げていきます。
G 憲法25条の「健康で文化的な生活」水準の引き下げをねらう政府の生活保護きりすてに反対し、老齢加算・母子加算の復活を要求していきます。
H 福祉職場における最低基準廃止に反対し、その改善をもとめていきます。


第2節
「なくせ貧困」「働くルールの確立」の運動を労働者と連帯してとりくみます。

職場の健康破壊につながる成果主義賃金制導入に断固反対するとともに、長時間労働をなくすため、経営者による労働時間掌握と改善を求めていきます。また、組合として職場点検活動を強めていきます。
均等待遇を求める立場から、職場でのパート労働法の活用を検討していきます。

(とりくみの具体化)

@ 成果主義賃金制導入に反対します。すでに導入されている職場では、一方的・恣意的な査定を許さない査定基準・方法・結果の公表を追及し、個別労働者の苦情処理体制の確立などにとりくみ、見直しを求めていきます。
A 総実労働時間1800時間・週40時間の実現、休暇の完全取得、サービス残業の根絶、残業手当の支払いなど、労働基準法の遵守を経営側に求めるとともに、政府に対する福祉改善要求を確立していきます。
B 大阪地方本部の「健康対策部」への結集を強めます。分会では担当者を配置し、職場での労働安全衛生運動の活性化をめざしていきます。
C 生活保護制度の改善とあわせて、全労働者・国民とともに最低賃金の引き上げ、最低保障年金制度の創設を求め、政府に対する運動を強めていきます。
D 労働者派遣法の抜本改正を政府に求めていきます。全労連・大阪労連に結集し「労働組合の温暖化防止運動(環境にやさしい働き方をめざして)」をめざしていきます。


第3節
福祉、教育、医療など府民のいのちとくらしを守るため、よりいっそうの自治体闘争を強めていきます。

橋下知事の「大阪維新プログラム」は、職員と府民に痛みをおしつけるものでしかないことが明らかとなり、府民の各層、各団体が橋下改革反対の声が上がっています。
府民むけの施策のきりすてが「大阪維新プログラム」の目的である以上、橋下府政と府民との矛盾は、大きくならざるを得ません。

福祉団体、大阪府障害者福祉事業団、社会福祉施設安定化推進事業の補助金削減などに反対し、福祉予算の拡充、福祉人材確保対策を求めていくとともに、「府民本位の府政」の転換をめざし、団体・労組とともに大きな運動を展開していきます。

(とりくみの具体化)

@ 橋下改革に断固反対していきます。福祉団体、大阪府障害者福祉事業団、社会福祉施設安定化推進事業などの補助金削減に反対し、福祉人材確保対策を求めていくとともに、府民のいのちと暮らしを守る運動を、積極的にとりくんでいきます。
A 橋下改革のねらいや大阪府の財政再建と福祉拡充を両立した再建策を学習していきます。
B 大阪府に対する要求を確立し、09年度予算にむけて大阪府交渉をおこなっていきます。福祉労働者の要求、府民の願う福祉要求を請願署名にし、20万筆(1人100筆)目標でとりくみます。
C 府議会議員との懇談をおこない、大阪府として実効ある福祉人材確保対策の実施を求めていきます。
D 市町村に対する福祉要求を確立し、自治体闘争を強めていきます。福祉、教育、医療などの充実もとめ、市町村から大阪府へ要望書を提出するよう働きかけていきます。

第4節
総選挙における要求を確立し、あらゆる憲法改悪策動に反対していきます。

政治を転換させるための衆議院選挙の実施が確実な状況にあることを踏まえ、労働者の生活と権利擁護、社会保障の拡充をめざし政治論議を深めていきます。

「国民投票法案」が成立し、憲法調査会が設置されているもとで、明文改憲の動きが急浮上する危険性があります。イラク、インド洋からの自衛隊の撤退や憲法9条違反の米原子力空母配置、在日米軍基地強化に反対していきます。日米安保条約廃棄などの要求を掲げ運動をとりくみます。

(とりくみの具体化)

@ すべての職場で「九条の会」をつくり、地域の共同センターに結集していきます。国民過半数の憲法署名をひきつづきとりくみます。
A 「自衛隊海外派兵恒久法案」に断固反対していきます。横須賀港への米原子力空母配置、米軍基地の再編強化に反対していきます。軍事同盟の根拠となっている日米安保条約廃棄にむけ運動をとりくみます。
B 大阪地方本部「憲法改悪阻止闘争本部」を再開し、運動を強めていきます。
C 総選挙にたいする要求を確立していきます。選挙を要求実現のとりくみ一つとして位置づけ、政治論議をすすめていきます。


第4章
組織の拡大・強化

(1)福祉保育労の組織現勢

2007年9月の定期大会以降、矢田第1保育所(大阪市)、おおとり保育園(堺市)、おおさかちよだ保育園(河内長野市)に分会を結成しました。しかし、この間3分会が消滅しています。理由はさまざまですが、組合員の退職、分会会議が開かれていない、組合費の滞納、地方本部への未結集など、共通の内容となっています。

2008年7月の組織現勢は2050人、分会数は65分会、職場数は120ヵ所(市社協は1分会、1職場とした)、点在が7ヵ所となっています。種別では保育職場が54ヵ所、障害職場は福祉団体も含めて49ヵ所、高齢・介護職場6ヵ所、乳児院・養護施設は5ヵ所、その他が6ヵ所です。

(2)重点課題

 春闘時期の組合員加入比率では、正規労働者は61%、非正規労働者が39%となっています。昨年は正規労働者の加入率は66%でしたので、5%程度、正規労働者の加入が減り、非正規労働者が増えたことになります。

 福祉職場では、正規、非正規労働者を問わず、離職率が高く、基本的な学習と分会・班会議の定例化は重要となっています。

大阪地方本部では、河南・阪南支部の協力を得て非正規専従を配置することができました。他の支部でも非正規専従の配置を検討し、支部体制の強化をはかります。また、非正規・パート職員の組織化をはかり当面2500人の組織をめざすとともに、「非正規部会」(仮称)を確立していきます。点在職場での、合同分会の結成を検討していきます。

種別を中心として、制度改正、規制緩和にともなう福祉労働者の役割や労働のあり方など、総合社会福祉研究所の支援を受けながら検討していきます。また、政府・自治体への要求を確立していきます。

(3)とりくみの具体化

1)組織拡大のとりくみ
@ 非正規労働者を組合に迎え入れ、職場の過半数をめざしていきます。非正規労働者が要求を掲げ、非正規労働者を組織していくことを基本に運動をすすめます。
A 組織拡大重点職場を設定し、全組合員のつながりの中で、組織化をはかっていきます。3月〜5月にかけて組織拡大月間を設定していきます。
B 大規模職場での組織拡大を計画的にすすめていきます。

2)組織強化のとりくみ
@ 月1回の分会・班会議をおこなっていきます。会議では、生活・労働実態を話し合い、要求を確立し、運動の方向性を確認し、実践していきます。文化・レクレーション活動も計画していきます。分会会議はみんなが発言し、みんなで行動できるように工夫し、任務はみんなで分担していきます。
A 役員会は、会議での議題を整理し、すすめ方などをよく話し合い、効率的な分会・班会議につとめます。
B 賃金や諸手当、一時金の要求については、要求書を提出し、団体交渉をおこない、確定していくという組合の原則的なとりくみを重視していきます。会議や団体交渉では、地方本部役員、支部役員の出席を求めていきます。
C 職場では「組合とは何か」「施設の財政状況」などの基本的な学習会を強めていきます。「福祉のひろば」を組合の準テキストと位置づけ、学習を深めていきます。また、関西勤労者教育協会がおこなう労働学校も位置づけ、積極的に参加していきます。
D 「組合員の生活は組合員で守る」という共済の目的を理解し、組合員が全員入る組織共済を確立するとともに、医療共済、生命共済などにも加入していきます。

3)支部・種別・専門部の強化
@ 北摂支部・北河内支部と協力し、非正規専従の配置を追求していきます。また、東部支部準備会での専従配置を検討していきます。支部単位での新入組合員歓迎会や情勢学習会を計画していきます。
A 月1回の支部会議を定例化し、支部役員会議を定例化していきます。支部に青年部、女性部、「非正規部会」の担当を配置していきます。
B 保育、障害、高齢者、児童養護協議会の定例化をひきつづき位置づけ、政府・自治体への要求をまとめ政策づくりをすすめます。同一業種の未組織労働者の組織化をはかります。給食調理部会の活動、体制を強化していきます。
C ひきつづきヘルパー対策委員会を継続し、ヘルパーの組織化をはかります。また、大阪労連のヘルパー労組連絡協議会に結集していきます。
D 青年部の発展・強化をめざしていきます。各職場に青年部担当を配置していきます。


第5号議案 規約改正(案)

全国福祉保育労働組合大阪地方本部規約では、本部委員会は、大会に次ぐ「決議機関」として規定されています。執行部が提案する運動方針の具体化について、本部委員は論議し採決するという任務をおっています。そこで決定された方針にもとづいて、全組合員が実践することが求められています。本部委員会は年2回を原則として、大会成立要件は、本部委員の2分の1の出席者が必要となっています。

08年6月16日の第31回本部委員会は「08年夏季闘争方針及び春闘中間総括」を論議し、本部委員定数81人中、42人の出席で成立し、方針が決定しました。07年10月19日におこなわれた本部委員会では「秋季年末闘争方針及び知事選闘争方針」を論議し、本部委員定数86人中42人の出席で不成立となりました。それ以前の本部委員会の状況をみても、成立、不成立を繰り返しています。

2001年に規約を改正し、本部委員の1年間の任期を改め、現在のように本部委員会開催ごとに本部委員を登録する内容に変更しました。本部委員会の成立のための規約の変更でしたが、目的を達成するところまでいたっていません。

本部委員会は運動方針を決定する重要な会議にもかかわらず、決定がなされず、「決議機関」の役割を果たせないという不正常な状態となっています。

全分会の本部委員が出席し、運動方針を論議し、決定していく。決定した方針を全組合員が実践することをめざさなければなりません。しかし、分会会議が開かれていなかったり、職員の入れ替わりが激しいなど、困難をかかえる分会も少なくありません。

支部役員とも協力し、分会会議を定期的に開催するための援助、要求に基づく団体交渉の支援が必要になっています。

執行部としては、本部委員会の成立要件を定期大会と同じ3分の1以上の出席者とする規約改正をおこなうことで、運動方針を確立、運動の展開をめざしていきたいと思います。

(1)本部委員会の成立要件の改正案


【改正部分】

規約第17条
「本部委員会の成立は、委任状を含め本部委員定数の3分の2以上の出席をもって成立し、出席本部委員の過半数で決します。議決が同数のときは、議長がこれを決します。ただし、出席本部委員は本部委員の2分1を下回ってはなりません」
【改正後】
「本部委員会の成立は、委任状を含め本部委員定数の2分の1以上の出席をもって成立し、出席本部委員の過半数で決します。議決が同数のときは、議長がこれを決します。ただし、出席本部委員は本部委員の3分1を下回ってはなりません」
【理由】
本部委員会が、機関会議としての役割が果たせず、不正常な状況となっていることから、大会の成立要件と同様にしていきます。

※以下は参照資料(本部委員会の議題)
【本部委員会の附議事項】
規約第18条 本部委員会への附議事項
本部委員会に附議する事項は、次の通りです。
1.大会で決定された運動方針の具体的事項。
2.暫定予算、補正予算と臨時資金の徴収。
3.統制。
4.闘争委員会の設置。
5.本部役員の定数と選出に関する件。
6.本部役員の選出等に関する選挙管理委員(若干名)の定数と選出に関する件。
7.疑義を生じた規約の解釈、規則・規程の改廃及び変更。
8.団体加入及びその脱退に関する報告。
9.本部委員の欠員補充に関する件。
10.その他、緊急必要事項。

以上


-全国福祉保育労働組合大阪地方本部-