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橋下財政再建プログラム試案に対する談話

2008年4月15日
全国福祉保育労働組合大阪地本
    執行委員長 山崎 健逸

「府民の暮らし、弱者を切り捨てるのか」と、思わず怒りがこみ上げる内容です。橋下府知事のプロジェクトチームは11日、08年度に1,100億円の歳出削減を行う「財政再建プログラム試案」を公表しました。「年金など数少ない収入の中から医療費を払っている高齢者はどうなるのか」、「障害をもつ方の医療保障はどうなるのか」「子どもたちをはじめ救急医療は機能し受けられるのか」、私たち府民の命が危険にさらされる計画となっています。

 改革プロジェクトチームの試案は、橋下府知事の意向を実行し、職員の人件費を最大400億円減らすとしています。高齢者、障害者、乳幼児、ひとり親家庭対象の医療費助成については、現行月1,000円上限の自己負担を、患者負担増となる1割の定率負担とし、私立学校の授業料軽減助成は助成対象と助成額を縮小し、公立小学校1、2年生で実施している35人学級の廃止などで、300億円を削減するとしています。救命救急センターへの府単独補助の廃止も検討されています。いったい選挙公約の「子どもが笑う、大人も笑う大阪」の実現は、どこへいってしまったのか、府知事としての説明責任と、選挙公約とかけ離れた削減案に対する府民の批判はまぬがれません。

 橋下府知事は就任直後、「府財政非常事態」を宣言し、2016年度で「早期健全化基準」になるとの見通しを示していました。もともと、府の財政危機は、福祉・医療・教育を充実したからではありません。国の三位一体改革による地方財源圧迫と国の景気対策に追随した1990年代の無駄な公共事業の激増の結果です。しかし、「試案」はそのことにふれていません。8年後の見通しがたちにくいといって、府民の暮らしと命にかかわるセーフティーネット事業や貴重な施策を削減することは、到底許すことはできません。

 私たち福祉職場にも、「橋下府知事=改革プロジェクトチーム」は痛みを強いています。公私間格差是正制度が縮小、廃止されできた社会福祉施設経営安定化推進事業費(8億7千万円)をはじめ、小規模通所授産施設機能強化支援事業、産休等代替職員費補助金、子育て支援保育士事業等々、府からの財源のほとんどが更なる削減対象となっています。今、大阪府下のほとんどの福祉職場が財源難と人材難にあえいでいます。そのもとで、出された試案は「福祉人材確保指針」にもとづく人材確保対策とは逆行するもので、人材難にいっそう拍車をかけるものです。そのことを大阪府、橋下府知事は理解しているのか、不満と怒りはつのるばかりです。
 全国福祉保育労働組合大阪地方本部は、大阪府、橋下府知事の責任のもと、これらの事業を継続し、改善・発展させることを求めていく決意です。そして、「福祉・暮らしをまもれ!!」の声を、幅広い府民との共同運動で、職場から地域から大阪中にひろげていくために、組合員の総決起を呼びかけるものです。

以上


-全国福祉保育労働組合大阪地方本部-